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暴落予兆するVIX指数 今後の動きは?
●現在のVIX指数
バブルも懸念される昨今の株式市場だが、VIX指数は20前後で抑えられている。VIX指数が上昇した時は急落のサインと言われているが、その兆候は見られない。
【こちらも】ショック相場でPERは役に立つのか?
今後VIX指数が上昇した時には、日米ともに株が売られる場面も考えられるが、当面VIX指数の方向性はどの様になるだろうか。
●VIX指数とは?
VIX指数は、Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)の略で、シカゴオプション取引所がS&P500種指数の値動きを基に作成している。恐怖指数とも呼ばれている。
VIX指数が高まれば、値動きの変動幅が大きくなることを投資家が予想していることを意味しており、楽観的な見方ではなく、不安が高まっている状態だ。
過去には、2001年のリーマンショック時や、米国同時多発テロ時には50近くまで上昇し、2008年のリーマンショック時には90近く、2020年のコロナショックでは85まで上昇した。
通常は10~20の範囲で動くことが多く、30を超えると危険というのが目安である。なお日経平均にも、日本経済新聞社が算出・公表している日経平均VIという指数がある。
●VIX指数で見る現在地は?
VIX指数はショック相場では役に立つが、安定した相場であるとあまり注目されなくなる。PERはショック相場では役に立たないが、安定した相場では役に立つ指標となる。
ロイター通信によると、16日午前の時点で、国際ETFのVIX短期先物指数が東証1部での値下がり率7位となっている。VIX指数が2月12日の水準まで低下したことが影響している。
2月は米国長期金利の上昇が警戒されていた時期だったが、高止まりしているとはいえ、警戒感も薄れてきている。
日経平均も16日には再び一時3万円台を回復したことに象徴されるように、ワクチンへの期待もあり、米国だけでなく世界的にコロナ後を意識した相場へと移りつつある。
だが1月後半には、VIX指数が一時30を超え、2月25日と3月4日にも30近くに上昇したこともあり、当面は30という数字が意識されることになるだろう。
現在も20を下回ることは少なく、コロナ前の20を下回っていたころに比べるとまだ高水準にある。
さらに安心感が広がれば、20以下が意識されることになるだろうが、緩和バブルが終わり、業績相場へと移行した時に再び上昇に転じるのか、注意が必要だろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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