スーパーの好調を、「巣ごもり効果」だけで片付けるべきではない!

2021年2月18日 16:38

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 日本チェーンストア協会(加盟56社、1万975店舗)によると、2020年1月から12月の加盟各社の総売上高は12兆7597億円余り。店舗数の増減を勘案する前で19年比102.6%の増収、勘案後で100.9%の売り上げ増。「5年ぶりにプラスに転じた」という。

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 スーパー業界の昨年に関しては「巣ごもり効果」が強調される。事実であろう。だが私はこう考えている。

 日々多数の買い物客が訪れるスーパーは、「蜜」と表裏の関係にある。が、「●●●●スーパーの従業員にコロナウイルス陽性者発生、濃厚密接者特定困難」といった類のニュースには接していない。筆者の住処の近くのスーパーでも、「マスクを着用されていない方は、入店をご遠慮いただく」「できる限り1人で買い物を」「ソーシャルレジタンスの理解」などなどを、繰り返しアナウンスしている。

 そして例えばレジでは、順番待ちの立ち位置を示すテープが床に張られている。従業員はフェイスシールド・マスクをつけ、顧客との間はシールドが設けられている。こうした業者側の徹底した施策があって初めて「売り上げ増」は実現したと捉えるべきだろう。

 いささか唐突だがオークワなども、そうした策が徹底していたという。オークワを調べ直してみた。和歌山県を中心に大阪・兵庫・愛知など1府8県でスーパー、スーパーセンター(1カ所のレジで決済が可能な床面積の広い総合スーパー)計170店を展開している。総売上高は業界9位。

 優良業者であることは、昨年1年間の既存店売上高がひと月として前年同月比を下回らず106.4%となったという事実で確認した。

 儲け上手であることは、営業増益率に顕著に見て取れた。前2月期まで4期間の平均増益率は8.6%強。今期も7.3%増益計画で立ち上がったが、期中に82.7%増益(63億円)に上方修正。修正後計画に対する3-11月の進捗率は86%強。ウオッチしているアナリストは、「ドミナント効果を満喫している。加えてEC戦略でも業界にあって先行している」とした。

 ECの展開は小売業界であるスーパーには、充実が必須な課題。オークワのEC化は、こんな状況。対象となる品数は1万点以上。3000円以上の購入なら宅配料無料。手元の四季報:新春号にはこう記されている。「ネットスーパーの売上高は上半期で、前年同期比24%増収。下期には店舗受け渡しを導入し、配達料節約需要に対応」。

 ちなみにコロナ対策(感染リスク低減策)として、総菜の1人用小分けを拡充したという。儲け上手な企業は業態にかかわらず、市場ニーズに即応する。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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