ルイ・ヴィトン 2021年プレフォールメンズコレクション - 現代、新たなラグジュアリーの概念とは?

2021年1月3日 08:30

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記事提供元:ファッションプレス

 ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)は、2021年プレフォールメンズコレクションを発表した。

■“ニューノーマル”なデイリーのワードローブを模索

 力を持つ既存のコードを象徴に変換させることで、独自のラグジュアリースタイルを構築してきたルイ・ヴィトン メンズ アーティスティック・ディレクターのヴァージル・アブロー。今季のコレクションでは、既存のラグジュアリーのコードを見つめ直すと同時に、現在から未来にかけての新しいラグジュアリーの概念とは何か?という問いを模索。“ニューノーマル”な日常に適応し、歩みを続けていくための新たなワードローブを提案する。

■遊び心のエッセンスを効かせたスーツやアウター

 印象的なのは、オーセンティックな定番ウェアに意外性のある要素を組み合わせ、遊び心を効かせたピース。ベーシックなテーラリングのスーツには、タイダイ・ギャラクシーのモノグラムモチーフを大胆に採用。ボックスシルエットのクラシカルな佇まいに、サイケデリックなある種の歪みを生み出している。

 また、モノグラムパターンを配したオールブラックのスーツには、ハーネスを加えて無骨なエッセンスをプラス。かっちりとしたピーコートは、袖にハイテクなエンボス加工を施し、ルイ・ヴィトンのロゴを立体的にあしらった。さらに、シンプルなブラックのボアジャケットには、モノグラムのレザーパーツをアシンメトリーに配すことで、ノーマルなウェアのパターンに異なるバランス感をカットインさせている。

■抽象化されたメゾンのアイコン

 ブルゾンにあしらわれた、モノグラム・フラワーやダミエ・パターンといったアイコニックなモチーフは染めによって抽象性を帯び、デニムのセットアップやハイネックのセーターには、溶け出すような色彩で輪郭を曖昧にさせたダミエ・パターン「ダミエ・ソルト」をオン。メゾンの象徴的なコードを融解させ、抽象化していくことで、伝統的な習慣と新しさの着地点を模索する現在の状況を暗示しているかのようだ。

■示唆的なメッセージをフィーチャー

 「ファッションとフィクションは別物」「昼間の職業はあなたを定義するものではない」といったメッセージをフィーチャーしたウェアも散見された。これは、ヴァージル・アブローがルイ・ヴィトンのクリエーションの一環として公開している「ヴァージル・アブローの辞典」から引用された文言であり、セーターにインターシャであしらわれている他、雨に濡れると言葉が浮かび上がる仕掛けのアウターにあしらわれ、印象的な示唆を残していく。

■「ダミエ・ソルト」ボストンバッグや新作メッセンジャーバッグ

 ボストンバッグには、ウェアと同様に「ダミエ・ソルト」のデザインを採用。インディゴカラーのバッグにはブラックのレザーパーツでシャープなアクセントを効かせ、ストーンのようなライトグレーのモデルには同系色のレザーパーツで柔らかく落ち着いた表情に仕上げている。

 さらに、モノグラム・マカサー キャンバスに、鮮やかなイエローラバーの「LV イニシャル」を連ねた新作メッセンジャーバッグも登場。ラバーの「LV イニシャル」がポップなアクセントを加えるのみならず、ベースとしての実用的な効果も発揮している。その他、3Dのモノグラムをデボス加工でグラフィカルに配したレザーバッグ、メタルのリベットを配したスリング・バッグなどが登場する。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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