ユーロ週間見通し:下げ渋りか、ワクチン接種拡大でリスク選好の円売りも

2020年12月12日 14:33

印刷

記事提供元:フィスコ


*14:33JST ユーロ週間見通し:下げ渋りか、ワクチン接種拡大でリスク選好の円売りも
■伸び悩み、ECBはPEPP増額と期間延長を決定

今週のユーロ・ドルは伸び悩み。欧州中央銀行(ECB)は12月10日開いた理事会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を5000億ユーロ増額し、期間を9カ月延長することを決定した。PEPPの規模拡大は予想通りだったが、英国と欧州連合(EU)の通商交渉は難航しており、英国は通商合意なしのEU離脱を実行する可能性が高まり、リスク選好的なユーロ買いは縮小した。取引レンジ:1.2059ドル-1.2166ドル。

■下げ渋りか、米金融緩和長期化への思惑残る

来週のユーロ・ドルは、下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は市場予想に近い追加緩和を決定し、ユーロ買い一巡後は伸び悩む可能性がある。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和策長期化の方針が改めて示される可能性があるため、ユーロ売り・ドル買いは抑制される見通し。

予想レンジ:1.2000ドル−1.2200ドル

■伸び悩み、英国は合意なしのEU離脱の可能性

今週のユーロ・円は伸び悩み。新型コロナウイルスのワクチン接種拡大への期待でリスク選好的なユーロ買い・円売りが強まる場面があった。しかしながら、英国は欧州連合(EU)と通商協定で合意できないまま、EU離脱の移行期間を終える可能性が高まり、リスク選好的なユーロ買いは週末前に縮小した。取引レンジ:125円79銭−126円74銭。

■下げ渋りか、ワクチン接種拡大でリスク選好の円売りも

来週のユーロ・円は下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は市場予想に近い追加緩和を決定し、ユーロ買いは一服しつつある。ただ、英国や米国などで新型コロナウイルスのワクチン接種が開始され、リスク選好ムードが再び広がる可能性もあるため、ユーロ圏製造業、サービス業PMIが市場予想を上回った場合、ユーロ売り・円買いが大きく広がる可能性は低いとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・16日:マークイット12月製造業PMI(11月:53.8)
・16日:マークイット12月サービス業PMI(11月:41.7)
・18日:10月経常収支(9月:+252億ユーロ)

予想レンジ:125円00銭−127円50銭《FA》

関連記事