欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、明日の米雇用統計にらみドル売り一服

2020年12月3日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、明日の米雇用統計にらみドル売り一服
3日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。新型コロナウイルスのワクチン開発で、早期実用化への期待感から安全通貨売りが続く。ただ、明日の米雇用統計を見極めようと、ドル売りはいったん収束しそうだ。

コロナ向けのワクチン接種が英国を皮切りに実施が見込まれ、景気減速の不安を和らげる材料として好感されやすい。前日は安全通貨売りの流れでドルが主要通貨に対し大きく下げ、特に対ユーロで急激に下落。本日アジア市場でもその流れが受け継がれ、ユーロ・ドルは2018年4月以来の高値圏に浮上した。また、足元で発表された中国の堅調な経済指標を背景に、豪ドル・ドルも強含んでいる。ドル・円はドル売りに押されながらも、クロス円の上昇にサポートされ104円半ばで底堅く推移した。

この後の海外市場は、引き続きユーロの値動きが注視される。ユーロ・ドルはドル売り継続で先高観は弱まっていないものの、ユーロの過熱感から買いは想定しにくく利益確定売りがドルへの下押し圧力を弱めよう。一方、米与野党超党派議員による追加経済対策への実施期待で、株高に振れればリスクオンのドル売りに振れやすい。ただ、前日発表された低調なADP雇用統計から明日の雇用統計は回復鈍化が示される可能性もある。そのため、ドルへの売り圧力はいったん弱まり、対円では下げづらい値動きとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・17:55 独・11月サービス業PMI改定値(予想:46.2、速報値:46.2)
・18:00 ユーロ圏・11月サービス業PMI改定値(予想:41.3、速報値:41.3)
・18:30 英・11月サービス業PMI改定値(予想:45.8、速報値:45.8)
・19:00 ユーロ圏・10月小売売上高(前月比予想:+0.7%、9月:-2.0%)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:77.5万件、前回:77.8万件)
・23:45 米・11月サービス業PMI改定値(予想:57.5、速報値:57.5)
・24:00 米・11月ISM非製造業景況指数(予想:55.8、10月:56.6)《FA》

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