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●イエレン氏が次期財務長官に
次期米国大統領のバイデン氏が、財務長官に米国連邦準備理事会(FRB)前議長のイエレン氏を起用する方針であることが明らかとなった。
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バイデン氏が掲げる大幅な財政出動に加え、中央銀行との連携の強化も期待される。
大統領選挙で止まっていたコロナ対策の財政出動が前進することが好感され、S&P500も報道を受けて上昇し、23日は前週末比0.6%高まで上昇した。
●イエレン氏の実績
イエレン氏はFRB理事を経て、クリントン政権時代にも、米大統領経済諮問委員会委員長を務め、経済界・政界ともに人脈がある。
ユダヤ系アメリカ人で、夫はノーベル経済学賞を受賞したジョージ・アカロフ氏である。
オバマ政権の元では、2014年間から4年間FRB議長を務めた。女性初のFRB議長だった。今回も実現すれば、初の女性財務長官となる。
イエレン氏がFRB議長を務めた間に、5回の利上げを行い、失業率は2.5ポイント低下した。
●政策への期待
当初は、バイデン氏が金融規制強化を掲げるエリザベス・ウォーレン氏を指名するのではという警戒感が、ウォール街ではあった。イエレン氏の起用は、安堵と期待感に変わりつつある。
イエレン氏がFRB議長時代に行った5回の利上げは、物価上昇率が低いままであったため、批判もあった。財政赤字にも警鐘を鳴らしていた。しかし、現在のパウエル議長の実質ゼロ金利政策や財政支出拡大には支持も表明している。
米国経済は失業給付などの公的支援が切れる財政の崖が迫っており、財政出動が待たれる。
民主党は失業給付の積み増しや、家計への現金給付など2兆ドル~3兆ドル(210兆円~310兆円)の財政出動を議会に提出している。
バイデン氏は4年間で2兆ドル(約210兆円)のインフラ投資の公約も掲げており、連邦政府債務が膨らむことは避けられず、FRBの低金利政策の維持が不可欠となる。政府と中央銀行との連携は、バイデン氏の政策には欠かせない。
次期財務長官は潤滑油としての役割も重要となり、イエレン氏は適任であるという期待がある。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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