新規上場の飲食店予約サイト:レッティに注目したい理由

2020年11月25日 17:40

小

中

大

印刷

 Retty(以下、レッティ)が10月30日、東証マザーズ市場に上場した。社名と同名の「飲食店予約サイト」を運営する。忘れえない企業となりそうだ。

【こちらも】コロナ禍は家事代行業「増勢」の追い風となった!?

 コロナウイルス禍からの経済再生を賭した「GO TOイート」のスタートと期を同じくしての上場だったこと。前9月期の10-12月期:営業利益4117万円/1-3月期:7796万円に対し、4-6月期:損失9642万円。そして着地も赤字が不可避な状況での公開だったこと。加えるなら私が右腕肘頭骨折で生まれてこの方、初めて手術を受けた(体にメスを入れた)日だったこと。記憶に残る「日付」の上場企業である。

 マーケットは快く迎え入れた。公開公募価格1180円に対し初値は1611円。36%余高く生まれた。株価動向は未だ「IPO人気」の範疇にあり、地相場に移行して以降の展開は語るすべがない。

 が、2010年に会社を設立したレッティの創業者社長:武田和也氏が、以降メディア等で発信している内容は実に興味深い。

 「GO TOイートと上場のタイミングがあったのは偶然。業績の落ち込みは一時的ととらえている。少人数のグループや家族連れで、地方や郊外の個別経営の店では客足は回復している。レッティに情報を掲載して店は、圧倒的に個店が多い。居酒屋チェーンなどは少ないこともあるが、8月のサイトへの訪問客数は去年の8月より4%増えている」

 「上場の狙いは加盟店数を増やすためにサイトの向上に向けた、エンジニアやデザイナーの人財獲得が必須。そのために資金を投じたい」

 「今回の上場には株式の中長期保有を前提とする、機関投資家に株主になってもらおうという狙いがある。そのためにここに至る間にお世話になったベンチャーキャピタルと、個別に折衝の機会をもった。依然、成長性に好評価を頂いているのは有難い。だが上場後もVCが保有する株式が多いと、将来的な株の売り圧力になりかねない。株価の形成上、芳しくないと考えたからだ」

 正直、育て役を担ったVCの保有株に関しそこまで考えて上場した経営者を私は知らない。折衝に対しVCがどういう行動を執ったかはわからない。が、事実とすれば武田氏は、証券市場に高い知見を有している経営者といえる。

 1度は会社勤めをした武田氏は、起業を前提に1年間米国生活を送っている。1週間に2つのアイディア(起業案)を捻りだすことを自らに課してのことだったという。そうした中で、レッティの構想は生まれた。サイトの差別化戦略等は、読者諸氏の検索に任せるが目下「有料契約店は約1万、月間のサイト訪問者は4000万人を超える」。食べログに真っ向勝負を挑んだレッティの今後を見定めていきたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連記事

広告