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国内外で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの開発が進んでおり、すでに多数の患者を対象とした第III相臨床試験を開始した開発グループも登場している。米製薬会社ファイザーと独BioNTechが共同開発している新型コロナワクチンが、第III相臨床試験で90%以上の高い有効性を示したという検証結果が報告されている。
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■数万人規模の臨床治験
ファイザーが9日に発表した報告によると、最終段階に相当する第III相臨床治験の中間解析が、外部機関であるデータモニタリング委員会(DMC)によって8日に実施された。第III相臨床治験は7月27日に開始し、43,538人が参加。42%が海外からの参加者で、米国民は30%にすぎないという。
臨床治験の参加者に対し、計2回のワクチンが投与された。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染が32例になるまで臨床試験が行われる予定だったが、米国食品医薬品局(FDA)との協議の末、92の感染例が確認されるまで臨床実験が続けられた。
その結果、2度目のワクチン投与の7日後で、90%を超える有効性を確認。最終的には164の感染例が確認されるまで臨床試験は続くため、ワクチンの有効性に関する結果が変化する可能性はあるという。ファイザーでは今回の中間解析について、ワクチンの最初の投与から28日で臨床試験の参加者が抗体を獲得したことを示すとみている。
DMCは今回の中間解析で、重大な安全性の問題があったという報告を行っていない。だが、安全性や有効性に関するデータ収集の継続を推奨している。
■有効なワクチンの一種「mRNAワクチン」
ワクチン開発の歴史は古い。最初のワクチンは、英国医師であるエドワード・ジェンナーによる天然痘ワクチンだ。牛痘の膿を人に接種したのがワクチンの始まりとされている。
ワクチン開発方法は現代では多岐にわたり、新型コロナウイルス感染症で有望とみなされているのがメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンだ。病原体に含まれるタンパク質を作るmRNAを投与することで、翻訳されたタンパク質に対する免疫反応が生じるという。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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