いまこそおさらいしたいiDeCoとつみたてNISAの違い 後編

2020年10月13日 17:47

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 次に、(2)投資の対象に元本保証型があることもiDeCoの特徴だ。つみたてNISAでは、選択できる投資対象が限定されているため、一般のNISAよりローリスクではあるものの、思わぬ利益を生む可能性がある一方で、元本割れのリスクがつきまとう。

【前回は】いまこそおさらいしたいiDeCoとつみたてNISAの違い 前編

 しかし、iDeCoはそんなリスクのある投資対象以外にも、元本確保型の定期預金や保険を選ぶことができるため、純粋に老後に向けた貯蓄として利用することも可能なのだ。そして、積み立てた額は全額所得控除されるのだから、iDeCoを利用せずに老後に向けた貯蓄を独自に行う場合と比べて、いかに得をすることになるかお分かりいただけるだろう。

 続いて、(3)運用可能な期間であるが、つみたてNISAは最長20年であり、iDeCoは60歳まで積み立て(運用自体は70歳まで)可能と、期間か、期限かの違いがある。いずれにせよ、最長20年のつみたてNISAと、20歳から始めた場合に最長40年となるiDeCo、と考えれば良いだろう。

 そして、iDeCoを利用する際に最も注意すべき点でもあるのが(4)途中解約の可否についてである。つみたてNISAは、購入した投資対象を売却してしまえば、対象口座からの出金が自由であるが、iDeCoは原則60歳以上にならないと、自由に引き出すことができないという大きな制約を受けるのだ。積み立てた期間によっては、65歳以上にならないと引き出せない場合もあり、この制約がiDeCo最大のデメリットといえるかもしれない。

 もっとも、iDeCoが老後の資金を目的とする性質上、いつでも勝手気ままに引き出すことができるようでは、制度の意味が無くなる。積み立て金を全額所得控除にできるという大きな節税メリットを受けるわけだから、自由に引き出せないという制約は受け入れなければならないともいえる。

 では、万が一自身の収入状況が悪化し、決められた毎月の積み立て金を支払うことができなくなった場合にはどうしたら良いのだろうか。もし、加入者が死亡したり、高度障害になったりすれば、iDeCoの解約は可能であるが、支払いが苦しいからといって解約という選択肢はなく、これまで毎月支払っていた積み立て金の減額か、支払い停止のいずれかを選ぶしかないのだ。

 この点で、iDeCoはつみたてNISAよりもさらに長期、あくまでも老後のための資産構築と割り切るべきであり、マイホームの購入や子どもの学費に対する積み立てを目的とするのであれば、引き出しが自由なつみたてNISAを選ぶべきだろう。

 このように、一般のNISA、つみたてNISA、iDeCoは、どれもが将来に対する資産構築であり、大きな節税効果を持つことは間違いないながらも、その資産構築の目的を明らかにした上で利用すべきだとお分かりいただけたと思う。自分自身や家族のライフプランを考えながら、どの優遇措置を利用すべきかしっかり吟味した上で、賢い節税と無理のない資産構築を目指していただきたい。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る

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