ユーロ週間見通し:弱含みか、ECB追加緩和の可能性残る

2020年10月10日 15:15

印刷

記事提供元:フィスコ


*15:15JST ユーロ週間見通し:弱含みか、ECB追加緩和の可能性残る
■強含み、ユーロ圏景況感の改善を好感

今週のユーロ・ドルは強含み。ユーロ圏の8月小売売上高は予想以上の伸びでプラス転換し、域内の経済見通し改善を受けたユーロ買いが先行。その後、欧州中央銀行(ECB)の9月理事会議事要旨で「ユーロ高はインフレ見通しに深刻な影響を与える」との意見が含まれていたことから、ユーロ売りが強まる場面があった。しかし、米国の包括的追加経済対策の大統領選前の合意は難しいとの見方から、ユーロ買い・米ドル売りが再び優勢となった。取引レンジ:1.1707ドル-1.1831ドル。

■伸び悩みか、早期景気回復への期待低下も

来週のユーロ・ドルは、伸び悩みか。欧州の主要都市で新型コロナウイルスの感染再拡大による制限措置への思惑から、早期景気回復への期待は後退していることから、ユーロは買いづらい展開となりそうだ。10月14日発表予定の8月鉱工業生産などの経済指標が市場予想を下回った場合、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測が広がりやすい。

予想レンジ:1.1700ドル−1.1900ドル

■強含み、米追加経済対策への期待持続で円売り優勢

今週のユーロ・円は強含み。トランプ米大統領の早期退院により政局不安は後退したことや、追加経済対策に関する協議は継続されることから、リスク選好的なユーロ買い・円売りが観測された。欧州中央銀行(ECB)はユーロ高をけん制しているものの、トランプ大統領が大規模な包括的追加経済対策の支持を示したとの報道を受けて、一時125円台に上昇する場面があった。取引レンジ:123円31銭−125円09銭。

■弱含みか、ECB追加緩和の可能性残る

来週のユーロ・円は弱含みか。欧州内での新型コロナウイルスの感染再拡大で主要都市での制限措置が強化される見込み。早期景気回復への期待は低下し、ユーロは買いづらい。米ドル・円相場に大きな動きがみられず、8月鉱工業生産などの経済指標が予想を下回った場合、金利引き下げの思惑が広がり、ユーロ売り・円買いがやや強まる可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・14日:8月鉱工業生産(7月:前月比+4.1%)

予想レンジ:122円50銭−125円50銭《FA》

関連記事