爆光が迷惑なフォグランプはどんな進化をとげるのか

2020年9月11日 11:55

印刷

 最近の純正フォグランプは、省エネフォグランプとして消費電力が下がる傾向にあるが、一方で消費電力が下がるため暗いという声も聞かれる。そのため、アフターパーツで明るいフォグランプに交換する人もいるが、今度は周りに迷惑となる爆光が問題となる。だが最近は、カラーチェンジできるバルブの登場で、少し様相が変わり始めてきた。

【こちらも】虫よけスプレーでヘッドライトの黄ばみ取り、思わぬトラブル招くことも

 フォグランプに使用されるハロゲンバルブは、かつて、H3やH11といった消費電力55Wの明るいものが主流だったが、最近は普通乗用車にH16、PSX24W、PSX26W、軽自動車にはH8といった消費電力が少ないバルブに置き換わっている。

 消費電力を比べると、H8が35W、PS26Wが26W、PS24Wが24Wと、以前のハロゲンバルブに比べてかなり少ない。この背景には、フォグランプの消費電力を下げれば発熱量が減るため、リフレクターやレンズ、灯体の全てを樹脂製にできる。結果、フォグランプとフロントバンパーの軽量化が可能となり、エコなクルマが作れるわけだ。

 しかし、エコと引き換えにフォグランプは明るさを失い、点灯させてもユーザーによっては明るさに満足できていない。そこでアフターパーツでは、純正より明るいフォグランプ用LEDバルブの開発が行われてきたが、本来のフォグランプとは違った使い方をユーザーがしていることで、今度は爆光と呼ばれるフォグランプが問題となっているわけだ。

 そこで最近では、カスタムパーツとしてフォグランプの色を変えられるLEDバルブが登場し始めた。今までの爆光より明らかに光量は低いが、白色と黄色の2色をドライバーが任意で切り替え可能という代物だ。

 この2色切り替えは、トヨタ車にもバイカラーLEDフォグランプとしてオプション設定されている。自動車メーカーがこの2色切り替えを採用し始めたことで、明るいだけのフォグランプから、おしゃれで本来の機能をもったフォグランプ用バルブが主流となる可能性がある。

 道路状況に合わせて、フォグランプをカラーチェンジして使用することで、本来の目的である悪天候時などにおける視認性の確保にも役立つ。また、光量も従来のように爆光を求めた製品ではないため、周りに迷惑をかけることも少ないだろう。ただし、フォグランプの光軸調整はしっかりと行う必要があることを忘れてはならない。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事