7日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で4日続落、ハイテク急落で科技指数は4.6%安

2020年9月7日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 7日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で4日続落、ハイテク急落で科技指数は4.6%安
週明け7日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比105.80ポイント(0.43%)安の24589.65ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が119.16ポイント(1.21%)安の9764.82ポイントとそろって4日続落した(ハンセン指数は約4週ぶりの安値水準)。売買代金は1582億4200万香港ドルに縮小している(4日は2131億5700万香港ドル)。

投資家の慎重スタンスが強まる流れ。外電は5日、トランプ政権が安全保障上の問題があるとして、ICファウンドリ中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)をブラックリスト(取引制限企業リスト)に加えることを検討中——と政府関係者の話として伝えた。米中関係がさらに悪化すると不安視されている。中国指標の下振れもネガティブ。取引時間中に公表された8月の中国貿易統計では、人民元建ての輸出が11.6%増(予想は12.4%増)、輸入が0.5%減(同6.1%増)という結果だった。輸入が予想外のマイナスに落ち込むなか、中国内需の持ち直し期待がやや後退している。本土資金の流入期待などで指数は買われる場面がみられたものの、本土株安をにらみながら、引けにかけて下げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が3.6%安、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.2%安、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が3.1%安と下げが目立っている。アリババと薬明生物技術は、本日より構成銘柄に組み入れられた。このほか、新規採用の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が1.4%安と下落している。

そのほかにもハイテク株売りが続き、ハンセン科技指数は4.6%安。組み入れウエート上位の構成銘柄では、上記したアリババや小米のほか、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が1.4%安、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が5.2%安で取引を終えている。半導体関連も急落し、上述したSMICが22.9%、華虹半導体(1347/HK)が14.4%ずつ値を下げた。

家電やスポーツ用品など消費セクターもさえない。創維数碼HD(スカイワース・デジタル:751/HK)が6.2%安、海爾電器集団(ハイアール電器:1169/HK)が2.4%安、海信科龍電器(ハイセンス・ケロン・エレクトリカル:921/HK)が2.0%安、361度国際(1361/HK)が1.9%安、安踏体育用品(2020/HK)が1.6%安で引けた。

半面、中国の空運セクターは大幅続伸。中国南方航空(1055/HK)が7.2%高、中国東方航空(670/HK)が7.0%高、中国国際航空(753/HK)が4.0%高と値を上げた。空運需要の回復期待が引き続き支えとなっている。

一方、本土市場は4日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.87%安の3292.59ポイントで取引を終えた。消費関連株が安い。ハイテク株、医薬品株、資源・素材株、軍事関連株、証券株、不動産株なども売られた。半面、空運・海運株は高い。自動車株、銀行株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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