クックパッドから新設分割、MBOを経て上場したロコガイドのビジネスモデルの妙

2020年8月12日 18:06

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「トクバイ」では5月から店舗の混雑状況が分かる「混雑ランプ」サービスの提供を開始した。(画像: ロコガイドの発表資料より)

「トクバイ」では5月から店舗の混雑状況が分かる「混雑ランプ」サービスの提供を開始した。(画像: ロコガイドの発表資料より)[写真拡大]

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 今年はIPO動向も、新型コロナウイルス禍に大きく揺さぶられて上半期を終えた。第1四半期こそ27社と予定(31社)に対し微減。一変したのは4月6日の「緊急事態宣言」が契機。

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 3-4月は予定企業中18社が上場を中止した。4月6日の新規公開企業を最後に、その後に予定していた10社が全て中止。上場実現の実行は「解除」を受けた、6月24日。3社が上場。その後は持ち直す動きがみられる。

 だが予定通り3-4月の10社が公開し49社が上場していれば、上半期としてはリーマンショック後過去最多となるはずだった。

 本稿の主人公:ロコガイドも、6月24日公開組の3社の中の1社。

 ロコガイドはまず、その生まれ方からしてIPOに興味抱いて待っていた。2016年7月に、クックパッドから新設分割により設立された。その後、経営陣のMBOによってクックパッドから独立。ビジネスモデルの妙から時代ともマッチし、着実な成長を遂げている。

 『トクバイ』。スーパー・ドラッグストア・ホームセンターなどの折り込みチラシ情報が、アプリ導入でパソコンやスマホで無料閲覧できる。顧客小売業者の経営の効率化と消費者の賢い買い物を実現する、情報マッチングサイトである。

 会員(有料)小売店舗数は前3月末で、約2万5000店舗。今3月期は「31.5%の増収(18億7300万円)、47.7%の営業増益(5億5000万円)、53.7%の最終増益(3億4000万円)」計画。

 株価は好感して立ち上がった。公開公募価格2000円に対し初値は4605円。7月13日に8780円まで買い進まれ、本校作成中の時価は6000円台半ば。「地相場形成」とは未だ言い難いが、期待して見守りたい。

 ロコガイドの強みは、「価格」「網羅率」「解約率」の3つのワードで説明できる。小売店がチラシを作り新聞に折り込むコストに比べ、割安⇔利用店数増⇔高網羅率⇔費用対効果で小売店の解約率低水準。要するにストック型収益モデルが確立されている。

 しかも、言葉はきついかもしれないが「有料(月額5000円)」と「無料」店舗の間には歴然とした差異が施されている。無料店舗の(チラシの)掲載頻度は限定的。対して有料店舗の場合は日々更新される「買い得商品」「タイムセールス」「クーポン」「エリアの多店舗との比較」情報等が、高い頻度で掲載される。

 同社はトクバイの取り扱い業種の拡大と取り組んでいる。既に「家電」「スポーツ」量販店まで広げており、スポーツ量販店では前期まで3期間で871店舗(2倍)を実現している。また「サービス業」「教育業」「不動産業」など非小売ジャンルでの展開も視野に入れている。

 時流を牽引しそうな、興味深い新興企業の上場といえる。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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