29日の米国市場ダイジェスト:NYダウ160ドル高、連銀による緩和策の長期維持期待広がる

2020年7月30日 08:09

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記事提供元:フィスコ


*08:09JST 29日の米国市場ダイジェスト:NYダウ160ドル高、連銀による緩和策の長期維持期待広がる
■NY株式:NYダウ160ドル高、連銀による緩和策の長期維持期待広がる

米国株式相場は反発。ダウ平均は160.29ドル高の26539.57ドル、ナスダックは140.85ポイント高の10542.94ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)が当面金融刺激策を維持するとの期待感から買いが先行。その後、連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りゼロ金利据え置きを決定し、回復に自信が戻るまで長期にわたり低金利を維持する方針を示したほか、パウエルFRB議長も会見で回復を支援するためにあらゆる手段を活用していく断固とした方針を再表明すると一段高となった。セクター別では、ヘルスケア機器・サービス、銀行が上昇した一方、自動車・自動車部品が下落。

コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)は第3四半期決算の損失が予想ほど悪化しなかったことが好感され上昇。半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も決算が予想を上回ったほか、通期売上高見通しを上方修正し、急伸。一方、複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は予想を上回る損失を計上し下落した。航空機メーカーのボーイング(BA)は第2四半期決算で24億ドル損失を計上、同時に737マックスの増産ペースを緩め、大型旅客機777Xの納入開始を遅らせる方針を発表し下落した。

下院司法委員会は29日、アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、フェイスブック(FB)の主要ハイテク企業4社のCEOに対し、反トラスト法(独占禁止法)を巡り市場を不当にゆがめていないかどうかを問う議会証言を実施したが市場への影響は限定的だった。

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■NY為替:米低金利政策長期化の思惑でドル弱含み

29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、105円20銭から104円77銭まで下落し、104円93銭で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)は28-29日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で市場の予想通り政策金利やフォワードガイダンスの据え置きを決定し、回復に自信が戻るまで低金利を維持する方針を示したほか、パウエルFRB議長もウイルスの再燃で経済活動や雇用の伸びが鈍化した可能性に言及した。景気回復を支援するために全手段を用いると断固とした方針を繰り返したため、ドル売りが一段と強まった。

ユーロ・ドルは1.1719ドルから1.1806ドルまで上昇して1.1790ドルで引けた。ユーロ・円は123円22銭から123円79銭まで上昇。リスク選好の円売りが優勢となった。ポンド・ドルは1.3013ドルまで上昇後、1.2949ドルまで反落した。ドル・スイスは0.9188フランから0.9117フランまで下落。


■NY原油:反発で41.27ドル、原油在庫の減少などが意識される

NY原油先物9月限は反発(NYMEX原油9月限終値:41.27 ↑0.23)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は、前営業日比+0.23ドルの1バレル=41.27ドルで取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは40.93ドル−41.57ドル。29日のアジア市場で40.93ドルまで売られたが、米エネルギー情報局(EIA)が29日公表した週間在庫統計で原油在庫はやや減少していたことから、41.57ドルまで買われた。ユーロが底堅い動きを見せたことも意識されたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 25.27ドル +0.91ドル(+3.74%)
モルガン・スタンレー(MS) 50.59ドル +0.33ドル(+0.66%)
ゴールドマン・サックス(GS)202.58ドル +0.96ドル(+0.48%)
インテル(INTC) 48.07ドル -1.17ドル(-2.38%)
アップル(AAPL) 380.16ドル +7.15ドル(+1.92%)
アルファベット(GOOG) 1522.02ドル +21.68ドル(+1.45%)
フェイスブック(FB) 233.29ドル +3.17ドル(+1.38%)
キャタピラー(CAT) 140.53ドル +2.50ドル(+1.81%)
アルコア(AA) 13.18ドル +0.27ドル(+2.09%)
ウォルマート(WMT) 130.69ドル -1.07ドル(-0.81%)《ST》

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