ダイキン、短期の収益力と長期の成長性の両立により成長を目指す

2020年7月20日 07:38

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日立と協創する生産・販売計画の立案・実行支援ソリューションの全体イメージ。(画像: ダイキン工業の発表資料より)

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 ダイキン工業は7月14日、化学事業において需要変動に即応する最適な生産・販売計画の立案・実行支援ソリューションを、日立製作所と協創で実用化し、運用を開始したと発表した。

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 化学品は需要変動が激しく、多品種生産を行うための製造から販売までの部門間調整が必要である。販売価格や販売予定量・生産量、関税などを入力することにより生産地、人員配置などの最適なソリューションを提供するシステムになっている。

 ダイキンは1924年、山田晁によって、大阪金属工業所として大阪市に設立された。飛行機用ラジエーターチューブの生産から出発し、1934年にメチルクロライド式冷凍機の生産を開始、1936年には日本初の電車冷房機を南海電鉄へ納入した。

 1951年に日本初のパッケージ型エアコン開発に成功し、1963年に商号を現在のダイキン工業へ変更した。

 2020年3月期の売上高は2兆5,503億円。事業別の構成比は、住宅、オフィス、病院、厨房、空港などの空調事業が91%。以下、フッ素樹脂などの化学事業が7%、フィルタ事業や油機事業、電子システム事業などのその他事業が2%を占めている。

 世界150カ国以上に事業展開し、生産拠点100拠点以上、売上高海外比率77%のグローバルメーカーダイキンの動きを見ていこう。

■前期(2020年3月期)実績と今期見通し

 前期実績は売上高が2兆5,503億円(前年比2.8%増)、営業利益は前年よりも108億円減の2,655億円(同3.9%減)であった。

 営業利益減少の要因としては、空調事業が前年よりも円高(1ドル111円->109円、1ユーロ128円->121円、1元16.5円->15.6円)による為替差損187億円を、売上増(前年比4%増)とコストダウンでカバーしたが14億円の減益。化学事業は13億円の為替差損と半導体・自動車市場の不振による売上減(前年比10%減)により87億円、その他事業が油機事業の不振により6億円の減益であった。

 今期は新型コロナウイルスの影響を見通すことは困難な中、現時点では売上高2兆3,300億円(同8.6%減)、営業利益1,500億円(同43.5%減)を見込んでいるが、今後状況に応じた柔軟な施策を行い、計画も都度見直していく

■戦略経営計画(2019年3月期~2021年3月期)による推進戦略

 短期の収益力と長期の成長性の両立を目指す次の成長戦略を推進する。

●1.事業領域拡大/事業構造転換

 ・IOT/AI技術を活用した空調ソリューション事業の加速。
 ・低温暖化に向け次世代冷媒と機器の開発、ガス事業の拡大。
 ・暖房給湯機事業、ショウケースなどの商業用冷設事業への事業領域拡大。

●2.既存事業の強化

 ・北米No.1に向けて新工場稼働、現地開発力強化に向けてR&Dセンター開設で北米空調事業の強化。
 ・ベトナム新工場建設、タイ、インド、マレーシア工場の増設によりアジア空調事業の強化。
 ・次世代自動車分野への展開、フッ素材料と他素材を融合させた複合材料への展開により化学事業の拡大。
 ・空調、化学とのシナジーを活かしてフィルタ事業の発展。

 空調機器と冷媒を併せ持つ唯一のメーカーとして、グローバルに展開するダイキンの今後の動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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