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米インディアナ州最高裁判所、スマホロック解除強制は不利な証言の強制と判断

2020年6月28日 19:22

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記事提供元:スラド

米インディアナ州最高裁判所は23日、スマートフォンのロック解除に使用するパスワード開示を強制することは合衆国憲法修正第5条が禁ずる不利な証言の強制にあたり、州政府側が犯罪の証拠となるファイルの存在を具体的に知らない限り除外の対象にもならないとの判断を示した(裁判所文書Deeplinks Blogの記事9to5Macの記事)。

この事件は被告の女性がD.S.という人物から性的暴行の被害にあったと届け出たところから始まる。女性は所有するiPhone 7 PlusにD.S.との通話記録などが含まれるとして捜査機関に提出し、捜査機関はデータをダウンロード後に返却した。ところがデータを調査した結果、女性がD.S.に対してストーカー行為をしていたことが判明し、女性の方が逮捕・起訴されることになった。

女性のiPhone 7 Plusにストーカー行為の証拠が含まれると考えた捜査機関は令状を取得して差し押さえたのち、女性が拒否したパスワード開示を命ずる2件目の令状を取得した。それでも女性は修正第5条に反すると主張してパスワード開示を拒否し、州地方裁判所が法廷侮辱罪にあたるとの判断を示したため、女性が控訴した。

控訴受理前に司法取引が成立し、女性がストーキング罪1件を認める代わり、州側は他18件の起訴事実を未確定のまま取り下げることになったが、女性は引き続き法廷侮辱罪で罰せられる可能性があった。控訴審で判事の見解は割れたものの、法廷侮辱罪を取り消す判断が示された。州最高裁は控訴審判決を支持したが、判事の見解は3対2と割れており、長い意見書が付けられている。
多数派となった首席判事は州側が主張する「foregone conclusion (既定の結論)」について、証拠となるファイルの具体的な存在を知らなければ成立しないと指摘。また、foregone conclusionは金庫に保存された紙の文書に関して生まれたものであり、金庫とは比べ物にならないほど多くのデータが保存されるスマートフォンへ適用することに懸念を示す。アプリが自動でクラウドから取得するデータへのアクセスに別の令状が必要になるかどうかといった問題も出てくるため、スマートフォンへの適用はローテクの杭を最新鋭の穴に入れるようなものだとも述べている。

暗号化パスワードの開示強制が不利な証言の強制に当たるかどうかについてはペンシルベニア州最高裁判所が同様の判断を昨年示しており、オレゴン州やニュージャージー州でも審理が進められているとのことだ。 

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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

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