アサヒグループHD「希望の大麦プロジェクト」から『希望の大麦ストロー』誕生

2020年6月12日 08:35

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アサヒグループHDと一般社団法人「東松島みらいとし機構」が、新たな施策として、麦収穫後の麦わらを使用した『希望の大麦ストロー』の製造を開始する

アサヒグループHDと一般社団法人「東松島みらいとし機構」が、新たな施策として、麦収穫後の麦わらを使用した『希望の大麦ストロー』の製造を開始する[写真拡大]

 アサヒグループHDと一般社団法人「東松島みらいとし機構」は、東日本大震災で被災した宮城県東松島市の沿岸部の津波被災土地おいて二条大麦を栽培することによって土地の有効活用を目指す「希望の大麦プロジェクト」に2014年から取り組んできた。毎年収穫した「希望の大麦」を精麦し、クラフトビール『希望の大麦エール』を醸造している。

 今年はその施策に加えて、新たなチャレンジとして、麦収穫後の麦わらを使用した『希望の大麦ストロー』の製造を開始する。当初の目的である東北復興応援に加え、環境課題や地域の活性化・雇用創出などにも取り組むプロジェクトとして発展を目指す。

 いま、廃プラスチックによる海洋汚染などを解決するために、プラスチック製ストローの使用を見直す取り組みが活発化している。

 そこで、「希望の大麦プロジェクト」では、そもそも「ストロー(Straw)」は「麦わら」という意味の英単語が語源であり、中空構造の麦わらは、カットするだけでストローとして使用することができることに着目した。かつて一般的だった麦わら製ストローは、時代とともにプラスチック製ストローに置き換わってしまっているのが現状。現在、大麦を収穫した後の茎は粉砕されそのまま畑に撒かれているが、麦わらを丁寧に収穫し、適切な加工をすることで、飲料用ストローにすることができる。身近なストローを、プラスチックから、本来の麦わらに回帰させることで、持続可能な世界の実現に向けた消費者啓発に貢献していくというのが、今回のプロジェクトの狙いだ。

 麦わら製ストローは、紙製ストローより高強度、高耐水と言われており、水分を含まず柔らかくならないことから使用感も良いとされる。農作物のため長さや太さも様々だが自然な風合いが感じられる製品だ。麦1本からはストロー2~3本が製造できる。

 今年はテスト展開として、東松島みらいとし機構の試験圃場において刈取った麦わらからストロー2万本を製造する予定だ。

 アサヒグループにおいては、使い捨てプラスチックカップ削減のために“マイカップ”としての使用を提案している木製「森のタンブラー」とコラボしたワークショップなどを実施し、環境問題について学ぶ機会を提供していく予定だという。

 なお、今回もプロジェクトは、石川県で麦わらストローを製造・販売している株式会社ロータスコンセプトが監修する。(一社)ソーシャルプロダクツ普及推進協会主催「ソーシャルプロダクツ・アワード2020」での受賞をきっかけとして協業がスタートした。

 今後は『希望の大麦ストロー』理念普及と活用促進活動を行ない、地域が自立して製造・販売できる製造量を確保し、持続可能なビジネスモデルを構築していきたいとしている。

 アサヒグループでは、行動指針のひとつに「事業を通じた持続可能な社会への貢献」を掲げており、今後も“自然の恵み”を享受し事業活動を行なう企業として、水や原材料などの環境負荷を低減させ、CO2排出量削減に貢献しながら、革新的な取り組みにより、環境へプラスとなるような循環を生み出すことも目指し、持続可能な社会の実現に向けた事業活動を推進していくという。(編集担当:吉田恒)

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