データアプリは今期予想業績未定を織り込み中期計画を先取りして3連騰

2020年6月5日 09:01

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

 データ・アプリケーション<3848>(JQS)は、前日4日に7円高の1420円と3日続伸して引けた。同社株は、今年5月14日の3月期決算の発表に際して、今2021年3月期業績について新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しが立っておらず、業績予想を合理的に算出することは困難として未定としたことで売られたが、現在推進中の中期経営計画では、次期2020年3月期に業績高成長を目標としていることを見直し売られ過ぎ修正買いが増勢となった。6月1日にはスマイルワークス(東京都千代田区)と戦略的な業務提携を締結、企業間電子商取引(EDI)のクラウドサービスを強化することも、サポート材料視されている。

■戦略的提携が相次ぎ最終年度の営業利益は前期実績比2.4倍目標

 同社業績は、前2020年3月期業績が、期初予想より下ぶれ着地し、前々期比7.2%減収、45.0%営業減益、44.3%経常減益、47.2%純益減益と前々期2019年3月期の過去最高業績から減収減益転換した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大で第4四半期に集中している受注見込み案件が、次期以降にずれ込んで売り上げが減少し、組織体制強化に伴う人件費増加、事務所移転費用負担増も重なって利益も減益転換した。ただ配当は、中期経営計画で配当還元政策として株主資本配当率(DOE)5%を目標としていることに従って年間43円(前々期実績38円)へ連続増配した。

 その中期経営計画では、最終年度の2022年3月期の業績を売り上げ30億円、営業利益9億円、ROE(株主資本利益率)15%以上を目標とし、営業利益は、前期実績比2.46倍となる。EDIミドルウェア市場で国内トップの好ポジションから、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けすでにウイングアーク1st(東京都港区)やYE DIGITAL<2354>(東2)と業務提携し、リカーリングビジネス(継続取引)でも、EDIミドルウェア「ACMS Apex」や「RACCOON」などの提供を拡大しストック型売上高比率を65%以上に高めることなどを成長戦略としている。今回のスマイルワークスとの業務提携も、スマイルワークスのクラウドEDIにデータアプリの「ACMS Apex」を組み込み、受発注業務や請求書授受などの電子化・自動化に貢献し、中小企業の業務改善を促進する。今2021年3月期の業績予想は未定としているが、相次ぐ成長戦略の推進で、中期計画の最終年度に向け業績期待も高まってくる。

■GC示現で上昇トレンド転換を示唆し戻り高値抜けから年初来高値挑戦

 株価は、昨年12月のYE DIGITALとの業務提携を好感して年初来高値1815円まで買い進まれ、前期業績の下方修正に新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)、世界同時株安が重なって年初来安値1016円まで調整した。同安値からは売られ過ぎ修正と期末の配当権利取り、さらに大株主の光通信の保有株比率の上昇もオンして1580円の戻り高値まで55%高し、今期予想業績を未定とたことで再び下値を確認してきた。この間、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換も示唆している。業績予想未定でPER評価は難しいが、PBRでは1.20倍とクラウド関連株としては相対的に割り負けており、戻り高値1580円奪回から年初来高値を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
エフティグループは調整一巡、20年3月期営業増益予想で3Q累計順調(2020/02/18)
【特集】約1カ月ぶりに再開されるIPOの類似関連銘柄に注目(2020/01/27)
【特集】意外な業績好調銘柄とコロナウイルス関連に上乗せの花粉症関連銘柄をマーク(2020/01/27)
【CSR(企業の社会的責任)関連銘柄特集】イワキのCSRは「小さな社会貢献活動」として地道に継続(2020/02/04)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事