4日の米国市場ダイジェスト:NYダウ11ドル高、雇用市場の速やかな改善期待が後退

2020年6月5日 08:21

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記事提供元:フィスコ


*08:21JST 4日の米国市場ダイジェスト:NYダウ11ドル高、雇用市場の速やかな改善期待が後退
■NY株式:NYダウ11ドル高、雇用市場の速やかな改善期待が後退

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は11.93ドル高の26281.82ドル、ナスダックは67.10ポイント安の9615.81ポイントで取引を終了した。米国の失業保険継続受給者数が予想外に増加したため雇用市場の速やかな改善期待が後退、失望感から売りが先行。その後は前日終値を挟んで終始もみ合う展開となった。セクター別では、銀行や保険が上昇した一方、公益事業や不動産が下落した。

大手航空会社アメリカン航空(AAL)は需要の回復に伴い、7月の増便を発表し急伸。同業のデルタ航空(DAL)や航空機メーカーのボーイング(BA)も堅調推移となった。ラスベガスのカジノホテル営業再開で、MGMリゾート(MGM)などカジノ関連株が上昇した。オンライン証券会社のチャールズシュウェブ(SCHW)によるTDアメリトレード(AMTD)買収を米当局が承認し、両社とも急伸。一方で、食品メーカーのJMスマッカー(SJM)は四半期決算で一株利益が予想を上回ったものの、21年度の悲観的見通しが嫌気され下落。

AI(人工知能)を活用した販促支援ソフトなどのズームインフォ(ZI)は、4日ナスダックに上場、IPO価格21ドルのほぼ倍に跳ね上がるなど、ウイルスパンデミック後初となるハイテクの上場は、好調な結果となった。

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■NY為替:ECBによる緊急債券購入策拡充でユーロ全面高

4日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円62銭まで下落後、109円20銭まで上昇して109円18銭で引けた。この日発表された失業保険継続受給者数が予想外に増加したことや、4月貿易赤字の拡大が嫌気され、ドル売りが優勢となった。ただ、その後は米国経済活動の再開期待などで米長期金利が上昇したことから、ドル買いが強まった。

ユーロ・ドルは1.1220ドルから1.1362ドルまで上昇し、1.1332ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)が定例理事会でパンデミック緊急債券購入プログラム(PEPP)の規模を予想以上に拡大し、期間を延長したことが好感された。域内の景気見通しは改善し、ユーロ買いが加速した。ユーロ・円は121円86銭から123円97銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2516ドルから1.2633ドルまで上昇。ドル・スイスは0.9602フランから0.9544フランまで下落した。

■NY原油:下げ渋りで37.41ドル、世界経済の再起動で需要増加の思惑も

NY原油先物7月限は下げ渋り(NYMEX原油7月限終値:37.41 ↑0.12)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+0.12ドルの1バレル=37.41ドルで取引を終えた。取引レンジは36.38ドル−37.62ドル。4日のアジア市場で36.38ドルまで下げたが、ニューヨーク市場ではユーロ高を意識して一時37.62ドルまで買われた。ユーロ圏の財政出動などを含めた世界経済の再起動によって原油需要はある程度増加する可能性があることから、原油先物はやや下げ渋った。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 26.78ドル +0.97ドル(+3.76%)
モルガン・スタンレー(MS) 48.69ドル +1.78ドル(+3.79%)
ゴールドマン・サックス(GS)214.82ドル +4.25ドル(+2.02%)
インテル(INTC) 62.97ドル +1.04ドル(+1.68%)
アップル(AAPL) 322.32ドル -2.80ドル(-0.86%)
アルファベット(GOOG) 1412.18ドル -24.20ドル(-1.68%)
フェイスブック(FB) 226.29ドル -3.87ドル(-1.68%)
キャタピラー(CAT) 128.96ドル +1.87ドル(+1.47%)
アルコア(AA) 11.64ドル +0.87ドル(+8.08%)
ウォルマート(WMT) 122.11ドル -1.36ドル(-1.10%)《ST》

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