5年先まで使える広告代理店的プレゼンテーション術 (33)

2020年5月12日 08:42

小

中

大

印刷

 若手コピーライターのための【ボディコピーの書き方_後篇】です。1つの論旨で同意・同感させる答えを書くこと。読ませる確率を高めるために前提条件などの情報のムダを省き、250字程度で書くこと。前回まで、この2つのことを話しました。

【前回は】5年先まで使える広告代理店的プレゼンテーション術 (32)

■(35)クライアントだけ喜ばせない、独りごちない、実用的コピーを書く。

●クライアントの評価を目指さない。読者に作用する「実用文」を目指せ。

 クライアントに通すボディコピーで留まらないでください。決裁レベルで満足しては書き手の成長がそこで止まってしまいます。「伝えてほしい情報が伝わればいいよ」というオーダーに応えるだけでは、それは納品モードです。その程度の質と情報量しか読み手には届きません。

 いつも繰り返し伝えていますが、「受け手を思い通り動かす」ために書き手がコントロールしてこそコピー。「情報の受け手・世の中に作用する実用文」がコピーです。クライアント担当者やコピーライターのためのモノではありません。

 そのボディコピーは世の中に対して実効力のある情報か。読者が貴重な時間を割いてまで読む値打ちがある考えか。そして、客観視、分析調、希望的、断定調を使い分け、リズムをつくり、単調な文体にしないこと。テンポよく読んでもらえるように考えて書くサービス精神を持ってください。必ず複数回の推敲を行い、意識して文章のクオリティーを上げてください。

●最後の1行をキメないこと。最初の1行でつかむこと。

 コピーライターにかぎりませんが、物書きには、自身の達成感のためなのか、独りごちるための余韻作りなのか、とにかく最後を締めくくるキメの文章にこだわる人が少なからず存在します(私もその1人でした)。

 巧いこと言ってまとめたつもりの最後のその1行が、それまで築き上げてきた論旨を一瞬で破壊してしまうことがあります。蛇足的情報であることに書き手が気づかずフィニッシュしてしまう。その1行が読者にあざとさを感じさせてしまう。こうした1文がブランドを辱めたり、毀損してしまうことがあります。

 もし、決め台詞的な強めワードが必要ならば、ボディコピーの1行目・文頭に配置してください。そして、その1行目は、2行目~3行目へと読者が続きを読みたくなる「ツカミの1文」になっていなければなりません。

著者プロフィール

小林 孝悦

小林 孝悦 コピーライター/クリエイティブディレクター

東京生まれ。東京コピーライターズクラブ会員。2017年、博報堂を退社し、(株)コピーのコバヤシを設立。東京コピーライターズクラブ新人賞、広告電通賞、日経広告賞、コードアワード、日本新聞協会賞、カンヌライオンズ、D&AD、ロンドン国際広告祭、New York Festivals、The One Show、アドフェストなど多数受賞。日本大学藝術学部映画学科卒業。好きな映画は、ガス・ヴァン・サント監督の「Elephant」。
http://www.copykoba.tokyo/

記事の先頭に戻る

関連記事