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「寝ながら英単語を勉強できないか」とは、受験生であれば誰でも考えたことがあるだろう。睡眠中や学習中にある種の香りを嗅ぐと学習効果が高まることは、すでに睡眠実験室のなかで実証されていた。
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独フライブルク大学の研究チームは、日常生活でも同じ効果が得られることを実証して、注目を集めている。
実験を行ったのは、同大生物学部、心理学・精神保健学境界領域研究所(IGPP)ならびに同大学病院の研究者からなるチーム。1月27日にネイチャー・リサーチ社のオープンアクセスジャーナル『サイエンティフィック・リポーツ』に発表した。
■英単語の学習時と睡眠時にバラの香木を使用
論文の筆頭著者は教職課程に在籍する女子大生フランツィスカ・ノイマン氏。実験に参加したのは英語学習2年目の6年生(11~12歳)2学級。男女54名の生徒を、学習時と睡眠時にバラの香りのフレグランス・スティックを使うグループと使わないグループに分けた。
フレグランスを使用するグループは、自宅で英単語を学習する机の上と睡眠時の枕元に、バラの香りのスティックを置いた。一方コントロール群は、学習時と睡眠時にフレグランス・スティックを置かなかった。
その後、2つのグループに英単語の試験を行って成績を比較した。同時に試験の際フレグランス・スティックを机上に置く実験も行っている。
ノイマン氏によれば、英単語学習時と睡眠時に香木を使用した生徒の方が、成績がよかったそうである。さらに実験結果から、試験中に香木を置いた生徒の方が、英単語の正答率が高かったことも判明した。
■日常生活でも応用可能
指導教官のユルゲン・コルンマイアー博士(Priv.-Doz.)は、香木が一晩中寝室に置かれていても効果があった点を重視している。
これまでの実験では、香料の効果は睡眠中でも感覚が鋭敏な一定の時間に限られるとみられていた。しかし感覚の鋭敏な睡眠は、睡眠実験室のなかで脳波を測定しなければ特定できないため、実用化にはほど遠いものであった。
今回の実験結果についてコルンマイアー博士は、香料の学習支援効果が日常の環境でも確認できたことを強調。「香料の効果を目的に合わせて利用できる」と語った。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る)
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