知っておくべき権利と契約【出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」】

2020年4月9日 17:15

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記事提供元:biblion

 【第14回】この連載では、本Webサイト「biblion」も運営している出版社(株式会社masterpeaceと申します)でこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行をお手伝いさせていただいた筆者(代表兼編集者をやっております)が、自社でお手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験からお伝えできる範囲で「シンプルな本づくりのポイント」をお話させていただきます。

知っておくべき権利と契約【出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」】

 1.出版にあたって発生する権利
 2.出版時に結ばなければいけない契約

出版にあたって発生する権利

 出版に関連する権利として、著作権と版権があります。

 著作権は知的財産権のひとつで、音楽や文章、ソフトウェアなどの著作物を作成するとすべてに発生し、権利は基本的に100%著者が持ちます(著者と出版社で半分ずつの場合もあります)。
 原稿だけではなく、書籍の中に使用されている図版や写真にも著作権があるので、注意が必要です。
 書籍の奥付に記載されているコピーライトが著作権の持ち主になります。

 版権とは、出版する権利のことです。
 わかりやすくいうと、書籍のデータを印刷できる権利になります。印刷するためにレイアウトされ組版されたデータは出版社が持っているため、著作権を持つ著者が自由に使うことはできません。
 一度A社から出版した書籍をB社から再度出版しようとする場合は、印刷データをB社で作成し直す必要があります。
 (5717)

出版時に結ばなければいけない契約

 出版に関連する契約として、出版契約書があります。 
 出版社が著者の原稿で版を作り販売することを、著者が許可する契約になります。出版契約書がないと、そもそも本を売ることができないので、とても重要な契約になります。

 出版契約書では、出版に関するさまざまな取り決めを明文化します。
 基本的な項目として必ず明記されるのは、契約期間と販売場所です。販売場所は、販売できる国を指定するもので、日本国内のみで販売する契約だった場合、海外での販売はできません。

 契約期間と販売場所以外にも、電子書籍を許諾しているかどうか、オーディオブックの販売を認めているのかどうか、海外翻訳を認めているのかどうかなど二次利用を出版契約書で定義しておく必要があります。
 版権を持っている出版社でも、出版契約書で認められていないことはできません。

 多くの出版社では、出版契約書内で印税額についても定義します。紙の本が販売されたときの印税額だけではなく、電子書籍の場合、二次利用した場合など販売形態によって印税の設定が異なることが多くあります。
 二次利用に関するお金の話も、出版契約書で最初に定義しておくと、後々再度話し合う必要がなくなり、出版活動がスムーズに進められます。

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著者:窪田篤

 株式会社masterpeace代表取締役社長。アクセンチュア株式会社で大規模システム設計/運用プロジェクトに参画。2013年、good.book(グーテンブック)立ち上げのため、masterpeaceに参画。新規事業企画・コンテンツ編集責任者を兼任。2018年5月より現職。 元のページを表示 ≫

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