旧車乗りに朗報! 3Dスキャナ・プリンタ使い自動車用絶版部品を制作 スタークラフト

2020年3月20日 07:33

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スタークラフトの3Dプリンタ。(画像:スタークラフト発表資料より)

スタークラフトの3Dプリンタ。(画像:スタークラフト発表資料より)[写真拡大]

  • 3Dデータの状態(画像:スタークラフト発表資料より)

 スタークラフト(兵庫県神戸市)では、すでに絶版となった自動車部品を再生するため、3Dスキャナならびにプリンタを使い、自動車用絶版部品の制作販売を開始すると発表した。

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 古いクルマを大事に乗っていても、いつかは部品に不具合が起きる。整備工場にクルマを持ち込み修理の依頼をしても、部品が手に入らず修理を諦めた人も多いのではないだろうか。

 神戸市に本社を構えるスタークラフトは、自社で最新鋭の3Dスキャナとプリンタを導入し、旧車乗りに救いの手を差し伸べた。この3Dスキャナとプリンタは、自動車設計段階で使われる精度の高い機器で、高い再現性と優れた計測が可能という。

 当然、3Dスキャナとプリンタの精度が高くても操る人間のスキルが高くなくては、完璧な復元は難しい。そこで経験豊富な専属スタッフが多種多様な技術や手法の解決にあたる。

 部品製作には、樹脂のほか既存のCNC加工等にもフィードバックし、金属製品の小ロット生産も実現した。そして、自動車部品そのものだけでなく自動車修理に必要な治具へも応用し、新たな板金手法も開発。これにより、既存の部品を異なる強度の素材で再現し、より完成度を高めた。

 古くなった機械で部品供給が廃盤となるのは、クルマだけではない。手先で操る工具から大型の工作機器、そして鉄道や飛行機といった大型機械まですべての絶版部品にも対応できる。

 スタークラフトでは、機械の寿命による技術伝承の断絶を回避し、日本の腕利きの職人が支えた製造業を絶やさないことがこの事業の本質と考えているという。

 いずれにしても、旧車を修理することが出来ずに落胆していた人には、一筋の光が見えたことだろう。そして、クラッシックカーの日常整備に新たな革命をもたらすことは間違いない。

 スタークラフトは、2012年2月に創業し、ヨーロッパクラッシックカー、ヴィンテージカー、ヒストリックカーの総合的サービスをバックアップしている。世界中の厳選した車両販売から整備、レストアを手掛けており、希少なパーツや消耗品の販売を行っているため、旧車の部品で困ったら一度問い合わせしてみるとよいだろう。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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