今週のマーケット展望「底入れ探る週 期末配当取りも相場支えに」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(山崎みほ)

2020年3月16日 09:58

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記事提供元:フィスコ


*09:58JST 今週のマーケット展望「底入れ探る週 期末配当取りも相場支えに」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(山崎みほ)
皆さま、こんにちは、フィスコマーケットレポーター山崎みほの「マネックス証券の気になるレポート」です。新型コロナウイルスの影響で、日経平均は先週も、取引中の下げ幅が約30年ぶりの大きさとなる等、不安な動きが続きました。底打ちはいつになるのでしょうか。
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、3月16日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。

まず広木さんは、『今週は17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、18〜19日に日銀の金融政策決定会合が予定されている。FOMCでは0.5%の追加利下げが見込まれていたが、日本時間早朝にFRBは1%の緊急利下げと量的緩和の再開を決定した』と伝えています。

さらに、『決定直後の時間外取引では日経平均先物が大幅高となったが、その後、米株先物の下落を受けて下げに転じた』ことに触れつつも、『この時間帯の参加者は限定的でこの先物のリアクションは参考にならない。NZ連銀も緊急利下げに踏み切りQEも視野に入れている。中央銀行の協調体制が迅速で強力だ。初期反応は鈍くても株高要因には間違いない』とし、『繰り返すがDo not fight with FED である』と述べています。

日銀の動きについては、『既に報じられている通り、CP・社債の購入拡大とETF購入の増額だろう。日銀の政策だけをみれば新味に欠け迫力不足で、世界の中銀が一斉に金融緩和に動いているなか愚鈍に映る。市場にサプライズを与えるアクションを日銀に求めたい』と言及しています。

今週の相場は『さすがに底入れとなるだろう』としつつも、『ここまで相場が大きく崩れてしまうと市場の動揺はそう簡単には収まらない。まだまだ波乱の展開が続くと覚悟しよう』としたうえで、『それでもいったんは底入れを探る展開になるだろう』と考察。

その根拠としては、『3月のメジャーSQを通過した需給的な要因。 需給でいえば3月期末接近で配当取りの動きが本格化してくることも下げ止まりの材料だ。特に今はこれだけ株価が下げているので配当利回りが驚くほど高くなっている。PERなど利益をベースにした尺度は業績の不透明感が高い時には信頼性が低いが、配当はよほどのことがない限り減配のリスクは少ない。配当狙いで買うには絶好のチャンスである』と述べています。

さらに、もうひとつの安心材料として『為替が円安ドル高に動いていること』を挙げています。『FRBの緊急利下げを受けて円高に振れなおしたが、それでもまだ105〜106円台だ』とのことです。

また、今回の相場変調の中で『ドル円はしっかりで、突っ込んだ円高局面でも1ドル100円の節目を割らなかった。日経平均が次々に節目を破って下げていくのと対照的だった。そのドル円は週末の海外市場で一時108円をつけた。下げ幅の61.8%戻しをクリアした。週末終値で見ても半値戻しは達成している』としています。

株価についても、『為替を追いかけるように、半値戻しを目指す展開か』と推察。『下げ局面では値を飛ばしながら下げてきたので、戻りは真空地帯、売り圧力は大きくない』とし、『半値戻しの前に、まずは2万円の大台回復が先だ。日経平均は先週1週間で3,300円余り下げた。その8割弱の2,500円余り戻せば2万円回復である。年度内には戻すだろう』と見解を述べています。

一方、リスク要因については『五輪中止の可能性が高まること』だとし、『同時に延期の可能性も示されれば、期待と需要が後ずれするだけなので問題はないが、「中止」だけが独り歩きするのが一番困るシナリオだ』と言及しています。

最後に、今週の予想レンジについては、『16,000円~20,000円』と予想しています。

参考にしてみてくださいね。

山崎みほの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを山崎みほの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。

フィスコマーケットレポーター 山崎みほ《HH》

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