ユーロ週間見通し:伸び悩みか、ユーロ圏の経済指標改善は期待薄

2020年2月8日 14:54

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記事提供元:フィスコ


*14:54JST ユーロ週間見通し:伸び悩みか、ユーロ圏の経済指標改善は期待薄
■軟調推移、米長期金利の反転を意識したユーロ売りも

先週のユーロ・ドルは軟調推移。米長期金利の反転を意識したユーロ売り・米ドル買いが優勢となった。中国などで新型のコロナウイルス感染が拡大しており、ユーロ圏から中国への輸出減少の思惑が広がったことや、ユーロ圏の景気回復に遅れが生じるとの見方もユーロ売り材料となった。取引レンジ:1.0942ドル-1.1096ドル 。

■上げ渋りか、域内経済の早期回復は期待薄

今週のユーロ・ドルは上げ渋りか。2月11、12日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が予定されており、金利引き上げに慎重な姿勢を示すとみられる。ただし、ドイツやユーロ圏の経済指標の大幅な改善は期待できないとの見方が多く、域内経済の早期回復への期待は後退していることから、リスク選好的なユーロ買いは抑制される可能性がある。

予想レンジ:1.0850ドル−1.1050ドル

■もみ合い、リスク回避のユーロ売りは一服

先週のユーロ・円はもみ合う展開となった。中国の新型肺炎による死者・感染者の拡大を受けてユーロ・円は週初、一時120円を下回った。新型肺炎の効果的治療薬の開発などを巡ってリスク回避のユーロ売り・円買いはやや縮小したが、ユーロ圏の早期景気回復への期待は広がっていないことから、リスク選好的なユーロ買い・円売りは拡大しなかった。取引レンジ:119円92銭−121円15銭。

■伸び悩みか、ユーロ圏の経済指標改善は期待薄

今週のユーロ・円は伸び悩みか。ユーロ圏の経済指標の明確な改善は期待できないこと、欧州中央銀行(ECB)は緩和的な金融政策を長期間維持するとの見方から、リスク選好的なユーロ買いは引き続き抑制されそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に中国経済の減速懸念が続くことも嫌気されそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・12日:12月鉱工業生産(11月:前月比+0.2%)
・14日:12月貿易収支(11月:+207億ユーロ)
・14日:10-12月期域内総生産改定値(速報値:前年比+1.0%)

予想レンジ:119円50銭−121円00銭《FA》

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