【決算記事情報】科研製薬は20年3月期3Q累計増益、通期減益予想据え置き

2020年2月4日 15:11

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 科研製薬<4521>(東1)は整形外科・皮膚科領域を主力とする医薬品メーカーである。20年3月期第3四半期累計は研究開発費が大幅減少して増益だった。通期減益予想は据え置いた。第4四半期の研究開発費の実行しだいとなる。

■整形外科・皮膚科領域を主力とする医薬品メーカー

 整形外科・皮膚科領域を主力とする医薬品メーカーで、農業薬品や飼料添加物、不動産賃貸(文京グリーンコート関連賃貸)なども展開している。

 主要製品は関節機能改善剤のアルツ、外用爪白癬治療剤のクレナフィン、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、創傷治癒促進剤のフィブラストスプレー、高脂血症治療剤のリピディル、およびジェネリック医薬品である。歯周組織再生剤リグロスは18年3月期から販売本格化、腰椎椎間板ヘルニア治療剤ヘルニコアは18年8月販売開始した。2020年3月期第3四半期には原発性腋窩多汗症治療剤BBI-4000の製造販売承認申請を行った。

 中期経営計画では目標数値に21年度売上高945億円、営業利益250億円、ROE12%以上を掲げている。免疫系、神経系、感染症の3領域を柱として自社創薬基盤を拡充・融合し、開発パイプライン充実を推進する。

■開発パイプライン

 主要開発パイプラインは、熱傷焼痂除去を適応症とするKMW-1(メディウンド社から導入、第3相)、爪白癬症を適応症とするKP-607(自社開発、第2相準備中)、アタマジラミ症を適応症とするKAR(アーバー社から導入、第1相)である。

 提携先が治験を実施している案件では、レナバサム(コーバス社から導入)はコーバス社が全身性強皮症を適応症として国際共同第3相、皮膚筋炎を適応症として国際共同第3相、尋常性乾癬を適応症とする自社創薬KP-470は導出先のボシュヘルスがカナダで治験段階である。

■20年3月期3Q累計増益

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比1.3%減の929億円、営業利益が9.3%減の223億円、経常利益が9.1%減の227億円、純利益が9.4%減の161億円としている。配当予想は19年3月期と同額の150円(第2四半期末75円、期末75円)である。

 医薬品輸出や特許料収入の減少で全体として減収見込み(主要医薬品の売上計画はアルツが0.3%増、クレナフィンが2.7%増、セプラフィルムが0.8%増、フィブラストスプレーが2.4%増、リピディルが20.8%減、ジェネリック医薬品が1.2%増)としている。利益面は研究開発費増加(3.3%増の106億円)や減価償却費増加(11.5%増の24億円)で営業・経常減益予想としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比3.3%減の701億78百万円、営業利益が12.7%増の224億32百万円、経常利益が12.7%増の228億29百万円、純利益が9.2%増の155億54百万円だった。アルツが3.9%減収、クレナフィンが0.6%減収と伸び悩んだが、研究開発費が大幅に減少(38.8%減の47億41百万円)して増益だった。

 第3四半期累計の営業利益は通期予想を達成しているが、通期は第4四半期の研究開発費の実行しだいとなる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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