売り一巡後は中国市場再開で過度な警戒感が和らぐ【クロージング】

2020年2月3日 16:11

印刷

記事提供元:フィスコ


*16:11JST 売り一巡後は中国市場再開で過度な警戒感が和らぐ【クロージング】
3日の日経平均は反落。233.24円安の22971.94円(出来高概算13億5000万株)で取引を終えた。新型コロナウイルスによる感染拡大に歯止めがかからず、欧州市場が全面安となる中、1月31日の米国市場ではNYダウが600ドルを超える下落となり、この流れを引き継ぐ格好から、ギャップスタートとなった。ただし、寄り付き直後に22775.92円まで下げ幅を広げたが、その後は上海市場の再開を見極めたいとする中、上海市場は8.7%安で始まると、サーキットブレーカー発動など過度な警戒感が和らぎ、買い戻しの流れから一時23000円を回復する局面もみられている。

また、ハンセン指数が上昇に転じた他、グローベックスの米株先物ではNYダウが200ドル近く上昇していたこともあって、押し目を拾う動きもみられている。そのため、反落ながらも日経平均は23000円を挟んでの底堅さも意識されていた。東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1600を超えており、全体の7割を占めている。

セクターでは、電力ガスが唯一上昇した他は、32業種が下落。海運の下落率が3%を超えたほか、証券、非鉄金属、その他金融、空運、鉄鋼の弱さが目立った。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、アステラス薬<4503>、東エレク<8035>、テルモ<4543>、京セラ<6971>が冴えない。一方で、エーザイ<4523>、中外薬<4519>が下支えしている。

明確なボトム形成は確認されていないが、一先ずテクニカル的には一目均衡表の雲下限や26週線が支持線として機能する格好での下げ渋りをみせている。新型肺炎の封じ込め次第ではあるが、早期に進展が見られてくるようであれば、支持線として機能する格好になりそうである。また、決算発表が本格化する中、好業績銘柄への物色がみられていたことについても、市場が正常は判断をみせているといった意味合いで安心感につながる。

また、本日は新型肺炎関連として足元で急騰を続けていた銘柄などへは、中国市場の混乱が一先ず回避されたこともあり、一気に資金流出の動きがみられている。これについては、短期資金集中だったこともあり、想定されていた動きであろう。とはいえ、中国は売りに対する規制措置を発動していたこともあり、再び物色対象として資金が向かう局面もありそうだ。《CN》

関連記事