中国で合法的にグレートファイアウォール越えられるブラウザ登場 2日後には消える

2019年12月27日 19:38

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記事提供元:スラド

 中国内のネットワークからインターネットへのアクセスが制限されていることはよく知られている。このアクセス制限システムは「Great Firewall」などと呼ばれているが、このGreat Firewallをくぐり抜けて自由なアクセスができるとうたうWebブラウザ「酷鳥(kuniao)」が中国内でリリースされ、20万人の登録者を集めたという(中国アジアIT専門ライター山谷剛史氏のTweet)。しかし、このブラウザはリリースから2日後に利用できなくなってしまったそうだ(中国IT動向をキャッチアップ!月刊中国ネットニュースまとめSouth China Morning Post)。

 South Chnia Morning Postの別記事によると、このブラウザは中国福建省・福州市のZixun Techという企業が開発したもので、中国で規制されているVPNを使ったものではないと主張。同社曰く「合法的に海外のWebサイトにアクセスできる」という。一方で利用には携帯電話番号の登録などが必要であり、利用者が監視される可能性も高い。「政府による罠」だとの声もあったようだ。

 しかし、リリースから2日後にはブラウザのダウンロードページにアクセスできなくなり、さらにWeiboやWeChatといったSNS上での公式アカウントも消滅したようだ。これらアカウントでは消滅前に「関連法規・規制に違反したためこのアカウントは利用できなくなった」といったメッセージが投稿されていたという。

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