東京理科大、水を利用した光変調器を開発 高価な結晶の代替可能性示す

2019年11月24日 08:20

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界面ポッケルス効果を利用した、光変調の取り出し(提供:徳永英司)

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 我々の生活に欠くことのできないものの一つに、いわゆる光デバイスがある。光デバイスの中でも、音声や画像などを光信号に変換する光変調器は情報のやり取りに必要不可欠だ。光変調器は「ポッケルス効果」という原理によって動作しているが高価な結晶が必要であり、代替技術の開発が望まれてきた。そんな中、東京理科大学の研究グループは20日、液体の水を利用した光変調器の開発に成功したと発表した。

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 ポッケルス効果は、外部からかけられた電圧に応じて物質の分極率が変化し、屈折率が変わるという現象のことを指す。屈折率の変化は電圧に比例し、その比例定数のことをポッケルス係数と呼ぶ。従来の光変調器はポッケルス変数が高いニオブ酸リチウムが用いられてきた。しかし、ニオブ酸リチウムを用いた素子は数十万円と高価なため代替技術の開発が望まれてきた。

 東京理科大の研究グループを率いる徳永英司教授は、2007年に水で巨大なポッケルス効果が生じることを発見した。しかし、水によるポッケルス効果の観測は高度な計測技術が必要で実用的とは言えなかった。

 そこで研究グループは「エバネッセント光」に着目した。エバネッセント光は水などの界面で全反射が生じた際に発生する光である。ガラス基板、透明電極、水の三つを用いることで、このエバネッセント光を共鳴させて増強させる界面ができる。このときに、透明電極の厚さや入射する光の波長の制御が鍵となる。

 その結果として、特定の波長の光と透明電極の膜厚を用いることで光変調が増強され容易に観測することが可能となった。異なる波長の光を変調したい場合は電極の素材や膜厚を変えることで制御が可能となる。

 今回の技術がもたらす可能性は、既存のニオブ酸リチウムを安価に代替しうるだけではない。これまでは不可能だった紫外光の変調も原理上では可能となる。したがって、微小領域の計測技術や指向性ディスプレイへの応用も期待される。

 本研究の成果はOSA Continuum誌のオンライン版に18日付で発表された。

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