20日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で4日ぶり反落、石薬3.5%下落

2019年11月20日 18:04

印刷

記事提供元:フィスコ


*18:04JST 20日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で4日ぶり反落、石薬3.5%下落
20日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比204.19ポイント(0.75%)安の26889.61ポイントと4日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も77.05ポイント(0.72%)安の10619.51ポイントと3日ぶりにそれぞれ反落した。売買代金は625億2600万香港ドルに縮小している(19日は799億600万香港ドル)。

米中対立の複雑化が警戒される流れ。米上院では日本時間20日朝方、香港の自治を守る「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決し、香港デモ支援の姿勢を鮮明化した。中国側は、同法案が成立すれば報復する可能性を改めて示唆している。法案はすでに下院が可決済みで、成立にはトランプ米大統領の署名が必要だ。市場関係者の間では、大統領が法案署名を通商協議のカードとして利用するとの見方が強い。協議の混迷化も懸念された。また、格付け会社のフィッチ・レーティングは最新リポートで、米中摩擦の影響で中国のGDP成長率は2020年に5.7%まで低下すると分析。今年の6.1%(予測)を大幅に下回るとの見通しを示した。

一方、中国人民銀行(中央銀行)は朝方、実質的な政策金利の指標金利「ローンプライムレート(LPR)」(毎月1回公表)について、1年物と5年物の金利を引き下げると発表。一部で好感する買いがみられたものの、引き下げ自体は事前に予想されていたこともあり、相場を押し上げるには力不足だった。

ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が3.5%安、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が3.2%安、米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)が3.1%安、民間自動車メーカー大手の吉利汽車HD(175/HK)が2.6%安と下げが目立った。時価総額上位の本土系金融株も売られている。

業種別では、自動車が安い。上記した吉利汽車のほか、北京汽車(1958/HK)が3.4%、東風汽車集団(489/HK)が2.5%、広州汽車集団(2238/HK)が1.1%、長城汽車(2333/HK)が1.0%ずつ下落した。

中国空運セクターもさえない。中国東方航空(670/HK)が2.7%安、中国南方航空(1055/HK)が2.6%安、中国国際航空(753/HK)が2.1%安で引けた。

半面、中国不動産セクターの一角は物色される。深センHD(604/HK)が1.0%高、華潤置地(1109/HK)が0.7%高、龍湖地産(960/HK)が0.5%高、中国海外発展(688/HK)が0.4%高と上昇した。住宅ローン金利の指標となる5年物LPR引き下げが手がかり。中国政府は不動産引き締めスタンスを継続しているが、近く緩和に舵を切り換えるとの見方も一部で出ている。

一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.78%安の2911.05ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導する。ハイテク関連株、運輸株、素材株、自動車株、不動産株の一角なども売られた。半面、医薬品株は高い。金、非鉄など素材株、エネルギー株や農業関連株の一角も買われた。

【亜州IR】《NH》

関連記事