中小型株シフトで個人のセンチメントは改善傾向/東京株オープニングコメント

2019年11月20日 08:50

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:50JST 中小型株シフトで個人のセンチメントは改善傾向
 20日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。19日の米国市場では、小売決算が嫌気されてNYダウは102ドル安で28000ドルを割り込んでいる。ナスダックは上昇となったが、米中通商協議の進展に懐疑的な見方もあって、上値の重い展開だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の23245円。円相場は1ドル108円50銭台で推移している。

 半導体のブロードコムはモルガンスタンレーによる投資判断引き上げを受け上昇となったほか、AMDが3%を超える上昇となっており、半導体株への支援材料にはなる。一方で、マイクロンテクノロジー、アプライド・マテリアルズ、KLAなどが冴えない展開となっており、SOX指数は下落していることもあって、材料視しづらいところでもあろう。

 シカゴ先物の値動きをみても、昨日同様、日経平均は23300円を挟んでのこう着といったところ。昨日は三菱ケミHD<4188>によるTOB発表で田辺三菱<4508>がストップ高となった影響もあり、医薬品が上昇率トップとなったが、ややディフェンシブ意識から医薬品のほか、足元で出直り基調を見せてきている中小型のバイオ株などへ資金が向かいやすいだろう。また、昨日は日本通信<9424>がリリースをきっかけに急動意をみせており、結局はストップ高を付けている。短期的な値幅取り狙いの資金も活発であり、個人のセンチメントは悪くないだろう。

 個人主体の資金などは出遅れ感が意識されている中小型株にシフトしている。弱いトレンドが続いているマザーズ指数であるが、3営業日続伸で再び75日線を突破してきている。トレンドとしては調整トレンドの上限レベルまで回復してきているため、11月前半につけた直近の戻り高値水準をクリアしてくるようだと、より中小型株への関心が高まることになるだろう。

 これまで跳ね返されてきた調整トレンドラインの上限であり、楽観視は出来ないものの、日経平均は足元でこう着が意識されやすい状況でもあるため、値ごろ感を意識した資金は中小型株シフトといった展開になりそうだ。《AK》

関連記事