本のタイトルの決め方【出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」】

2019年11月19日 09:18

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記事提供元:biblion

 【第8回】この連載では、本Webサイト「biblion」も運営している出版社(株式会社masterpeaceと申します)でこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行をお手伝いさせていただいた筆者(代表兼編集者をやっております)が、自社でお手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験からお伝えできる範囲で「シンプルな本づくりのポイント」をお話させていただきます。

本のタイトルの決め方【出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」】

 今回の記事では、本のタイトルの決め方についてご紹介します。1.読む・読まないはタイトルで決まる
 2.タイトルに求められること
 3.弊社のタイトル決め
 4.この連載にタイトルを付けるならどうするか

読む・読まないはタイトルで決まる

 本のタイトルは、読者が書籍を読む・読まないを判断する際に、とても重要な役割を果たします。当たり前のことですが、読者は、本を手に取る前に必ずタイトルを見ています。タイトルや表紙で興味を持てなかった場合は開いてもらうことさえできません。本の内容がどれほど素晴らしくても、まずは手にとってもらえないと何も伝えられないので、タイトルや表紙は特にしっかりと考える必要があるのです。

 最近はAmazonなどのWeb書店で書籍を買う方も多いでしょう。書店で本を探す際に表紙に惹かれて手に取るのと同様に、Web書店では表紙デザインと同じくらい「商品名」として登録されているタイトルが、書籍を見つけてもらうためのきっかけとして活躍します。また、書籍検索(Web書店内検索やGoogle検索など)でもタイトルが検索キーワードとしては非常に重要です。

タイトルに求められること

 Amazon売れ筋ランキングTOP50の本のタイトルを少し見ていきましょう(2019年9月現在)。

①嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え

①嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え

②日本一稼ぐ弁護士の仕事術

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③Excel 最強の教科書[完全版]―すぐに使えて、一生役立つ「成果を生み出す」超エクセル仕事術

③Excel 最強の教科書[完全版]―すぐに使えて、一生役立つ「成果を生み出す」超エクセル仕事術良いタイトルには、2つのパターンがあります。

 ■パターン1「この本を読むことで何を得られるかを具体的かつ簡潔に伝えられている」

 ■パターン2「驚きとフック(インパクトがあり、気になる!が喚起される)がある」

 売れている本のタイトルは、どちらかのパターンに当てはまることが多いのではないでしょうか。

 上記の人気書籍の①(嫌われる勇気~)はパターン2といえるでしょう。極めて強いトーンの言葉である「嫌われる」を先頭に持ってくることで、「えっ!?」と見た人に驚きを与えています。そこから(単体では固い意味を持つ)アドラーへつなげることでギャップに関心をひくことができているのではないでしょうか。

 一方、②と③はより具体的に内容を伝えているパターン1のタイトルだと言えるでしょう。
 特に③はキーフレーズが盛りだくさんです。「Excelのハウツー本であること」が明確にわかるメインタイトルに加えて、「教科書」という表現からは初心者でも基礎から学べる網羅的な本であることが伝わってきます。さらにダメ押しで「完全版」がお得感を醸成しているように思えます。

 ジャンル別にみると、実用書などはより具体的に内容を伝えられるパターン1のタイトルが適している場合が多いと思います。パターン2は、著名な著者による企画や、話題にする仕掛け(プロモーション戦略)と組み合わせてより有効に働くことが多いように思います。

 インパクトのあるかっこいい言葉を並べただけで、何がこの本を読むことで得られるのかがタイトルで伝えられないと、2つの問題が発生します。
 1つ目は、読者にその本を読むメリットが伝わりにくく、手にとってもらうことが難しくなるということ。2つ目は、本を探す読者の検索キーワードにヒットせず、本そのものを見つけてもらえないという問題です。

弊社のタイトル決め

 弊社でタイトルを決めるときは、次の3つを心がけています。

 ■著者の希望(何を伝えて読んだ人にどうなってもらいたいかを伝えられるようにする)
 ■何が得られる本かがタイトルから分かること(より具体的にイメージできるようにする)
 ■誰に向けての本かがタイトルから分かること(プロ向けであれば専門書であること、一般向けであれば手軽さがアピールできるようにする)

 例えば、弊社で出版した『1時間で分かる!電力自由化入門』という本がありますが、この本では「何が得られる本か⇒電力自由化に関する情報、解説」「誰に向けての本か⇒初心者を含む一般層」が伝わるようにタイトルを付けています。

かんたん解説!! 1時間でわかる 電力自由化 入門

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この連載にタイトルを付けるならどうするか

 本連載『出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」』を書籍化すると想定してタイトルを考えてみましょう。

 先ほどご説明したとおり、タイトルを決めるポイントは、「読者にその本を読むメリットを伝えること」と「誰に向けた本かが分かるようにすること」です。

 本連載を読むメリットは、本づくりの流れや予算、販売方法など本づくりに関する基本的な知識・ノウハウが体系的に学べることです。いわゆる、本づくりのガイドブックや指南書、教科書の役割が果たせるものだと考えています。
 そして、想定している読者は、本づくりに興味のある方、特に初めて本をつくる著者さんです。

 これらをタイトルに反映させてみましょう。

 たとえば『初めて本をつくる人のための本づくりの教科書』はいかがでしょうか?
 「誰でもできる」「簡単~」など、初心者向けということが伝わるキーワードをあわせて含めてもよいかもしれませんね。

 読者は、知識やノウハウなど、何か得られるものを求めて本を読んでいます。その目的に応えられることがタイトルでしっかりアピールできていると、より読んでもらいたい人に本を開いてもらうことができるようになります。

 本のタイトルとは「本の顔」であると意識して、内容をしっかりと伝えられる適切なタイトルを考えましょう。

 今回は、本のタイトルの決め方についてお伝えしました。

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著者:窪田篤

 株式会社masterpeace代表取締役社長。アクセンチュア株式会社で大規模システム設計/運用プロジェクトに参画。2013年、good.book(グーテンブック)立ち上げのため、masterpeaceに参画。新規事業企画・コンテンツ編集責任者を兼任。2018年5月より現職。 元のページを表示 ≫

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※この記事はbiblionから提供を受けて配信しています。

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