マルマエは上値試す、20年8月期増収増益予想で10月の受注残高は前年比プラス転換

2019年11月19日 09:01

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 マルマエ<6264>(東1)は、半導体・FPD製造装置向け真空部品などの精密切削加工事業を展開している。20年8月期は増収増益予想(下期偏重)である。受注残高は19年2月をボトムとして回復傾向だ。19年10月には前年同月比でプラスに転じた。株価は10月の年初来高値圏から一旦反落したが着実に下値を切り上げている。上値を試す展開を期待したい。

■半導体・FPD製造装置向けの精密切削加工事業

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開している。

 パイオニアプラズマディスプレイ鹿児島工場の一部を取得し、18年4月出水事業所として稼働、電子ビーム溶接(EBW)関連の生産も開始した。19年2月には本社を出水事業所内に移転し、本社機能の充実や業務の効率化を推進している。

 作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)では、18年7月第二種医療機器製造販売業の許可を取得し、医療機器製造業の登録を行った。

 中期事業計画(19年8月期~21年8月期)では目標として、売上高80億円、営業利益24億円(営業利益率30%)、資産ベースROIC20%(18年8月期実績16.4%)、負債ベースROIC15%(18年8月期実績11.8%)、配当性向30%以上(年間最低配当額10円、ただし最終損益が赤字となる場合は見直しを行う)を掲げている。

 また21年8月期までに医療機器部門の事業化、自社FA技術構築による生産性革新も推進する。設備投資額は市場動向を見ながら判断するため、出水事業所が稼働した18年8月期の24.5億円をピークとして減少する見込みだ。

■20年8月期増収増益予想

 20年8月期の非連結業績予想は、売上高が19年8月期比21.9%増の49億円、営業利益が31.2%増の6億50百万円、経常利益が32.7%増の6億33百万円、純利益が0.8%増の4億40百万円としている。配当予想は19年8月期と同額の15円(第2四半期末10円、期末5円)である。

 分野別売上高の計画は、半導体分野が9.0%増の34億68百万円、FPD分野が2.0倍の13億42百万円としている。半導体分野は低水準推移だが、試作品の受注強化など、新規顧客獲得と受注品種拡充で下期の回復を見込んでいる。FPD分野は、中国で中小型有機EL設備投資が再開されることに加えて、EBWで真空チャンバー溶接工程までの一貫受注が貢献し、過去最高の売上高となる見込みだ。

 通期ベースでは、FPD分野のEBW工程が受注貢献して増収増益予想である。純利益は特別利益が一巡して横ばい予想である。なお売上高、利益とも下期偏重の計画としている。特に第1四半期は、売上停滞の中で株主総会費用や減価償却費の増加で利益が低水準となる。下期には新規顧客からの受注が貢献する見込みだ。通期ベースで収益拡大を期待したい。

 なお月次受注残高(速報値)を見ると、19年10月は半導体分野が4億38百万円(前月比2.0%増、前年同月比23.3%減)、FPD分野が3億22百万円(前月比4.4%減、前年同月比103.2%増)、その他分野が3百万円で、合計が7億64百万円(前月比1.1%増、前年同月比4.3%増)となった。前年同月比でプラスに転じた。そして19年2月の合計6億20百万円をボトムとして回復傾向である。

 今後の見通しとして、半導体分野はロジック向け設備投資の回復が続き、メモリ向けの投資計画も出始めている。FPD分野はEBWを中心に受注拡大見込みとしている。

■株主優待制度は毎年8月末時点で6カ月以上保有株主対象

 株主優待制度は、毎年8月末日現在、6カ月以上継続して1単元(100株)以上(17年3月1日付株式2分割後)保有株主を対象として、クオカード1000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は10月の年初来高値圏から一旦反落したが着実に下値を切り上げている。上値を試す展開を期待したい。11月18日の終値は1058円、今期予想PER(会社予想EPS33円71銭で算出)は約31倍、今期予想配当利回り(会社予想15円で算出)は約1.4%、前期実績PBR(前期実績BPS406円65銭で算出)は約2.6倍、時価総額は約138億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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