「リトゥンアフターワーズ」が上野恩賜公園でショーを開催

2019年11月11日 18:56

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記事提供元:アパレルウェブ


 「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」が2019年11月9日、東京都台東区の上野恩賜公園で2020春夏コレクションのファッションショーを開催した。
 
 今回のショーは、美術家である日比野克彦氏を総合プロデューサーとして迎え、上野公園とその周辺地域を舞台に、社会包摂をテーマにした文化芸術事業を展開するプロジェクト「ウエノイエス(UENOYES)」の中のスペシャルアートイベントの一環として開催された。ショーは一般客にも公開するとあって1,000人近くの観客が押し寄せ、「上野恩賜公園 竹の台広場」の噴水を舞台に、日が沈んで間もない17時半に開始した。
 ショーのタイトルは「アフター オール(After All)」。2019春夏コレクションから続いた、魔女を題材とした「For witches」シリーズの最終章となる。これまでも魔女の日常や魔女狩りといったコンセプトを通じて現代社会に潜む矛盾や歪みなどを暗に示唆してきたが、今回はノマド(浮遊遊動民)の要素を通じて、上野という場所が持つ歴史的背景を表現した。
 
 オープニングではブラックシートを幾重にも重ねて作られたマントのような衣装を纏ったモデルたちが登場。戦後、戦争孤児や家を失った人たちが多く住んでいた上野でショーをするからこその表現だったとデザイナーの山縣良和は語っていた。そしてコレクションは、これまでのモノトーンで表現されていた魔女の装いとは変わって、赤や黒のギンガムチェックやウエディングドレスのようなレースを重ねた華やかなドレスで構成され、シリーズの最終章にふさわしい構築的で壮大なピースが揃った。




 ショー終了後、「ファンタジックに表現しているけれど、伝えたい真実というか現実は、作ったものであったり表現から表に出てきてしまう部分はあると思います」と語った山縣。魔女もノマドもいわば社会から外れた者たち。ただそういう者たちも社会の中の一員で、自分たちと違うというだけで排除する理由にはならないというメッセージが込められているように感じられた。また、ショーのフィナーレで使用されたのが、南北に隔てられた朝鮮半島で故郷を懐かしむ歌である「イムジン河」であったことも、現在世界で起こっていることに対するデザイナーの疑問であったり、憂いが表現されていた。
 
「リトゥンアフターワーズ」2020春夏コレクション
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取材、文:アパレルウェブ

撮影:野村亜紗子

※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。

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