カーリットホールディングスは戻り試す

2019年10月24日 09:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 カーリットホールディングス<4275>(東1)は、化学品事業、ボトリング事業、産業用部材事業を展開している。20年3月期は産業用部材が半導体市場減速の影響を受けて営業減益予想としている。第1四半期は好調だった前期に比べ大幅減益となったが、下期の挽回に期待したい。株価は9月の安値から反発して底打ち感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■化学品、ボトリング、産業用部材を展開

 M&Aを積極活用して規模拡大と事業多様化を推進し、化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、危険性評価試験、電池受託評価試験、塩素酸ナトリウム、ロケット固体推進薬原料、電気二重層キャパシタ用電解液、イオン導電材料等)、ボトリング事業(飲料のボトリング加工)、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、耐火・耐熱金物、ばね・座金等)を展開している。

 19年3月期のセグメント別(その他・消去前)の売上高構成比は化学品45%、ボトリング38%、産業用部材17%、営業利益構成比は化学品63%、ボトリング22%、産業用部材15%だった。

■中期経営計画「ワクワク21」で事業基盤確立を推進

 19年度~21年度の中期経営計画「ワクワク21」の重点戦略は、研究開発・新規事業(宇宙開発事業、二次電池関連事業、ヘルスケア材料、新規機能材料・半導体材料)における新製品早期上市に向けた体制強化、M&Aによる伸長分野への積極投資、ASEANを中心とした海外市場への積極展開としている。

 目標数値は22年3月期売上高650億円、営業利益30億円、ROE8%としている。設備投資額は修繕投資30億円、能力増強投資(ボトリング新ライン建設、受託評価試験設備拡充など)80億円、研究開発投資(固体推進薬、半導体材料など)20億円、3年間合計130億円としている。

■20年3月期営業減益予想

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比0.1%減の540億円、営業利益が5.5%減の22億円、経常利益が7.9%減の23億50百万円、純利益が1.3%増の16億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間12円(期末一括)としている。予想配当性向は17.8%となる。

 半導体市場減速の影響を受ける産業用部材の減収、研究開発費や販管費の増加などで、営業減益予想としている。セグメント別計画(連結調整前)は、化学品の売上高が0.5%減の235億円で営業利益が横ばいの12億50百万円、ボトリングの売上高が0.6%減の195億円で営業利益が17.6%増の5億円、産業用部材の売上高が1.7%減の89億円で営業利益が66.3%減の1億円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比横ばいの124億67百万円だが、営業利益が31.3%減の2億41百万円、経常利益が24.9%減の3億44百万円、純利益が32.2%減の1億95百万円だった。

 売上面は、化学品が横ばい(自動車用緊急保安炎筒が増収、受託評価が減収、化成品が減収、電子材料が増収)、ボトリングが3.4%増収、産業用部材が11.0%減収(シリコンウェーハが減収、耐火・耐熱金物が増収、ばね・座金が減収)だった。売上高は全体として横ばいを確保したが、米中貿易摩擦の影響などで産業用部材が2桁減収となり、売上原価の増加などで大幅減益だった。

 第1四半期が大幅減益となり、通期下振れに注意必要だが、下期の挽回に期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は毎期末(3月31日)時点の株主を対象として実施している。保有株式数および保有期間に応じてギフトカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は9月の安値から反発して底打ち感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。10月23日の終値は658円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS67円58銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1130円06銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約158億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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