【新規上場(IPO)銘柄】HPCシステムズは26日に上場、HPC市場は成長加速へ

2019年9月29日 19:15

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 HPCシステムズ<6597>(東マ)は、本年9月26日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、経営理念である「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」のもと、科学技術計算用コンピュータ事業(HPC事業)、及び産業用コンピュータ事業(CTO事業)の収益拡大に取り組んでいる。

 科学技術計算用コンピュータを展開しているHPC事業では、従来の大学研究室や公的研究機関からの受注を確保しつつ、民間企業の研究所・R&Dセンターなどで実施されている大規模・高精度な科学技術計算向け高性能計算機の拡販を強化し、受注に繋げている。

 産業用組込コンピュータを展開しているCTO事業では、半導体検査装置、医療装置、アミューズメント機器向け既存顧客の受注継続に努めるほか、画像処理、Deep Learning、スマートファクトリーなどを戦略分野と定め、展示会への積極出展などを通じ新規顧客の獲得に注力している。

 前2019年6月期業績実績は、売上高53億9500万円(前期比33.1%増)、営業利益3億6900万円(同30.9%増)、経常利益3億6700万円(同25.8%増)、純利益2億1900万円(同15.6%増)に着地。データセンター向け液浸サーバシステムの大口販売のほか、積極的な設備投資を背景に民間企業向け科学技術計算 用高性能計算機の販売が好調に推移したほか、大学研究室など公的機関向け高性能計算機の販売についても堅調に推移した。

 今20年6月期業績予想は、売上高57億8500万円(前期比7.2%増)、営業利益4億6900万円(同27.0%増)、経常利益4億5700万円(同24.7%増)、純利益3億0900万円(同41.1%増)を見込む。上場で調達した資金は、ソフト開発費、サーバ取得費、工場の空調設備更新、人件費等に充てる計画で、年間配当は、無配を予定している。

 株価は、上場初日の9月26日に公開価格1990円を6.0%下回る1870円で初値をつけ、27日高値2119円と買われている。科学技術計算用コンピュータを展開しているHPC市場は、従来のモデリングとシミュレーションに加えて、ビックデータ解析や人工知能(AI)、クラウドとの融合で成長が加速する見通しで、企業の最先端研究開発で利用が今後増加する見込み。公開価格を大きく割り込む場面は、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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