11日の米国市場ダイジェスト:NYダウ227ドル高、ハイテク株に買いが広がる

2019年9月12日 07:49

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記事提供元:フィスコ


*07:49JST 11日の米国市場ダイジェスト:NYダウ227ドル高、ハイテク株に買いが広がる
■NY株式:NYダウ227ドル高、ハイテク株に買いが広がる

米国株式相場は上昇。ダウ平均は227.61ドル高の27137.04、ナスダックは85.52ポイント高の8169.68で取引を終了した。中国が昨年に導入した追加関税からの除外品目を発表したものの、トランプ政権にとって重要な農産品が含まれなかった。明日の欧州中央銀行(ECB)理事会での金融政策発表を見極めたいとの思惑もあり、寄り付き後は小動き。その後は、昨日に新製品・新サービスを発表したアップル(AAPL)などハイテク銘柄に買いが広がり、堅調推移となった。セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や電気通信サービスが上昇する一方で食品・生活必需品小売や商業・専門サービスが下落した。

半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け上昇。航空機大手のボーイング(BA)は、マレンバーグCEOが第4四半期での「737 MAX」の運航再開に言及し堅調推移。配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ(UBER)及びリフト(LYFT)は、カリフォルニア州が両社のドライバーを正規従業員として雇用することを義務付ける雇用法案の実施を進めているものの、同州知事が交渉継続の意向を示し、ともに買われた。一方で、ビデオゲーム小売のゲームストップ(GME)は、決算で赤字幅が予想より拡大したほか、軟調な業績見通しが嫌気され大幅下落となった。

原油価格下落の影響により米シェール業界では多くの企業がコスト削減を進めており、来年の同業界の支出は6%減少することが予想されている。

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■NY為替:米8月PPI上昇でドル高

11日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円63銭から107円86銭まで上昇して107円84銭で引けた。米国の8月生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったため米債利回りが上昇。ドル買いが優勢となった。また、中国が米国製品16品目を追加関税対象から除外すると発表するなど米中協議で譲歩する姿勢を示したため、米中貿易摩擦改善期待にリスク選好の円売りが強まった。

ユーロ・ドルは、1.0985ドルまで下落後、1.1014ドルまで反発して1.1011ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)の利下げや成長見通し引き下げを織り込むユーロ売りに拍車がかかった。ユーロ・円は、118円30銭まで下落後、118円76銭まで反発。ポンド・ドルは、1.2351ドルから1.2313ドルまで下落した。英国の合意ないEU離脱への懸念がくすぶり上値を抑制した。ドル・スイスは、0.9941フランから0.9925フランまで下落した。


■NY原油:続落で57.40ドル、中東地域における地政学的リスク低下の思惑も

NY原油先物10月限は続落(NYMEX原油10月限終値:57.40 ↓0.45)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比−1.65ドルの55.75ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは55.61ドル−58.30ドル。米エネルギー情報局(EIA)が11日発表した週間在庫統計で原油在庫は予想以上の減少していたものの、トランプ大統領がイラン制裁の緩和を検討しているとの見方が広がり、中東地域における地政学的リスク増大の懸念は後退したことが原油先物相場の下落につながった。主要通貨に対するドル高が進行したことも嫌気されたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 29.46ドル +0.11ドル(+0.37%)
モルガン・スタンレー(MS) 43.94ドル +0.36ドル(+0.83%)
ゴールドマン・サックス(GS)216.80ドル +1.17ドル(+0.54%)
インテル(INTC) 52.79ドル +0.97ドル(+1.87%)
アップル(AAPL) 223.59ドル +6.89ドル(+3.18%)
アルファベット(GOOG) 1220.17ドル +14.17ドル(+1.17%)
フェイスブック(FB) 188.49ドル +2.32ドル(+1.25%)
キャタピラー(CAT) 133.09ドル +2.80ドル(+2.15%)
アルコア(AA) 22.18ドル +1.35ドル(+6.48%)
ウォルマート(WMT) 116.02ドル -0.03ドル(-0.03%)
スプリント(S) 6.93ドル +0.06ドル(+0.87%)《SF》

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