ブロッキング導入のイタリア、海賊版利用者は合法無料サービスへ

2019年7月25日 18:54

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記事提供元:スラド

 headless曰く、

 イタリアではブロッキングにより海賊版サイトへのアクセスを大幅に減らすことに成功したが、音楽産業の課題は海賊版対策ではなく消費者を合法な無料サービスから有料サービスに移行させることだという(TorrentFreak)。

 イタリアでのWebサイトブロッキングは裁判所の判断を待つことなく、通信産業の監視当局AGCOMが直接命令を出すことができる。これにより、権利者はAGCOMへ申請するだけで迅速に海賊版サイトのブロッキングが可能となる。AGCOMは過去1年間に385件のブロッキング命令を出しており、海賊版サイトへのアクセスは35%減少したという。

 しかし、イタリアの音楽業界団体FIMIによれば海賊版利用者がYouTubeやSpotifyなど合法的な無料サービスへ移行しただけだといい、海賊版サイト対策の成功が収益増にはつながっていないようだ。そのため、有料の「プレミアム」サービスへの移行促進が課題となるが、「芸術は無料」との考えが根付くイタリアでは有料サービスに誘導するのは容易ではないという。実際にイタリアでの有料サービスへの移行レートは世界平均を下回っているとのことだ。

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