20日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で4日続伸、吉利汽車4.9%上昇

2019年6月20日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 20日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で4日続伸、吉利汽車4.9%上昇
20日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比348.29ポイント(1.23%)高の28550.43ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が157.69ポイント(1.46%)高の10922.39ポイントとそろって4日続伸した。売買代金は977億5900万香港ドルとなっている(19日は1051億4900万香港ドル)。

米金融当局の利下げ示唆を好感。昨夜まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明では、景気見通しに不確実性が増したとし、メンバー17人のうち8人が年内利下げを見込んでいることが明らかにされた(3月時点の利下げ予想メンバーはゼロ)。米中協議の進展期待も追い風。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は19日、「今月28~29日の大阪20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせた米中首脳会談の前に、劉鶴副首相と会談する」との見通しを示した。閣僚級の会談は5月10日以来。首脳会談に向けた地ならしを進める。本土株の上げ幅拡大をにらみながら、香港の各指数も上げ幅を広げた。

ハンセン指数の構成銘柄では、吉利汽車HD(175/HK)が4.9%高、中国平安保険(2318/HK)が3.7%高、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が3.3%高、恒基兆業地産(12/HK)と信和置業(83/HK)がそろって2.7%高と上げが目立った。

業種別では、紙・パルプ、空運が高い。山東晨鳴紙業集団(1812/HK)が4.1%、玖龍紙業(2689/HK)が1.7%、中国南方航空(1055/HK)が6.6%、中国東方航空(670/HK)が5.0%、中国国際航空(753/HK)が4.7%ずつ上昇した。人民元安進行の一服がプラス。紙製品各社は原料を輸入し、空運各社はドル建て債務の比率が高いだけに、業績の安定が意識された。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元の対米ドル基準値を約1カ月ぶりの元高水準に設定。この日の上海外国為替市場でも、元高が加速している。

中国証券セクターは大幅続伸。華泰証券(6886/HK)が4.8%高、中信証券(6030/HK)が4.2%高、広発証券(1776/HK)が3.8%高、海通証券(6837/HK)が3.7%高、中国銀河証券(6881/HK)が3.4%高と買われた。上海に新設されるハイテク・スタートアップ企業向け株式市場「科創板」の準備進展を引き続き材料視している。

中国不動産セクターもしっかり。広州富力地産(2777/HK)が3.4%高、碧桂園HD(2007/HK)が2.4%高、中国恒大集団(3333/HK)が2.3%高、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.8%高、中国金茂HD(817/HK)が1.7%高と値を上げた。

本土市場も4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比2.38%高の2987.12ポイントで取引を終えた。金融株が相場を主導。消費関連株、自動車株、不動産株、運輸株、インフラ関連株、ハイテク株、医薬品株など幅広く物色された。

【亜州IR】《FA》

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