28日の米国市場ダイジェスト:NYダウ237ドル安、米中貿易摩擦の長期化を警戒

2019年5月29日 07:46

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記事提供元:フィスコ


*07:46JST 28日の米国市場ダイジェスト:NYダウ237ドル安、米中貿易摩擦の長期化を警戒
■NY株式:NYダウ237ドル安、米中貿易摩擦の長期化を警戒

米国株式相場は下落。ダウ平均は237.92ドル安の25347.77、ナスダックは29.66ポイント安の7607.35で取引を終了した。米中貿易摩擦を巡って株価が下落基調にあることから、買い戻しの動きが先行。しかし、米長期金利の低下が嫌気されたほか、トランプ大統領が対中関税の大幅引き上げに言及し、米中貿易摩擦の長期化懸念が強まると上げ幅を縮小して下落に転じた。セクター別では、メディアやソフトウェア・サービスが上昇する一方で、食品・飲料・タバコや家庭用品・パーソナル用品が下落した。

製薬のマイラン(MYL)は、UBSによる目標株価引き下げを受け下落。スニーカー小売のフットロッカー(FL)は、24日に発表した決算発表が引き続き嫌気され軟調推移。運輸・宅配のフェデックス(FDX)は、中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)宛の小包が無断で米国に転送されていたことを受け、ファーウェイが関係見直しを検討していることが伝わり売られた。一方で、半導体のアドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)は、複数の新型半導体を発表し、競合のインテルからシェアを奪うとの見方から大幅上昇。自動車大手のフィアット・クライスラー(FCAU)は、仏の同業ルノーに経営統合を提案し上昇した。

大手行のシティ・グループ(C)は、携帯端末のアップル(AAPL)とのカード事業の提携について、同事業の収益性に対する疑義が生じたことから協議を打ち切っていた。

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■NY為替:米国株安を嫌気してドル・円は反落

28日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円36銭から一時109円61銭まで上昇したが、その後109円33銭まで反落し、109円37銭で引けた。トランプ米大統領による発言「中国との貿易協定合意の準備はない」を受けて、米中貿易問題の行方に不透明感が広がり一時ドル売り・円買いが強まった。その後、米国5月消費者信頼感指数が予想以上に改善したことを好感したドル買いが再燃したが、米国株式の下落を嫌ってドルは反落。

ユーロ・ドルは、1.1195ドルから1.1159ドルまで下落し1.1162ドルで引けた。欧州議会選での欧州連合(EU)懐疑派の躍進を警戒したユーロ売りが継続。イタリアの財政懸念などに同国の国債利回りが上昇したことも警戒された。ユーロ・円は、122円63銭から122円00銭まで下落した。ポンド・ドルは、1.2690ドルから1.2651ドルまで下落した。合意なき離脱(ハードブレグジット)を懸念したポンド売りが一段と加速。ドル・スイスは、1.0051フランから1.0098フランまで上昇した。


■NY原油:小幅続伸で59.14ドル、中東地域の地政学的リスク増大を警戒

NY原油先物7月限は小幅続伸(NYMEX原油7月限終値:59.14 ↑0.51)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日比+0.51ドルの59.14ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは58.13ドル−59.57ドル。世界経済の減速懸念などで原油需要は伸び悩むとの見方はあるものの、中東地域における地政学的リスク増大や米国内における供給不安を意識した買いが入った。ユーロ安・ドル高の相場展開となったことから、上げ幅はやや縮小した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 27.90ドル -0.28ドル(-0.99%)
モルガン・スタンレー(MS) 42.17ドル -0.79ドル(-1.84%)
ゴールドマン・サックス(GS)189.44ドル -3.56ドル(-1.84%)
インテル(INTC) 43.57ドル -1.00ドル(-2.24%)
アップル(AAPL) 178.23ドル -0.74ドル(-0.41%)
アルファベット(GOOG) 1134.15ドル +0.68ドル(+0.06%)
フェイスブック(FB) 184.31ドル +3.25ドル(+1.79%)
キャタピラー(CAT) 121.59ドル -1.31ドル(-1.07%)
アルコア(AA) 22.55ドル -0.46ドル(-2.00%)
ウォルマート(WMT) 102.42ドル -0.25ドル(-0.24%)
スプリント(S) 6.91ドル -0.25ドル(-3.49%)《SF》

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