朝日ラバーが創業50周年の記念配当、今期は年間30円の見込みに

2019年5月26日 14:42

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■中間配当10円、期末は10円に記念配当10円、利回り5%を超える

 朝日ラバー<5162>(JQS)は1970年5月に創業し、今期・2020年3月期の期末配当に創業50周年の記念配当10円を加える予定。20年3月期の配当は、中間配当10円、期末配当20円の計30円の予定とする。直近の株価は590円前後のため、利回りは5%を超えることになる。

■前期は第4四半期から自動車向けが急減したが安定配当を考慮

 19年3月期の連結業績は、中期計画に基づく大型の設備投資と消却額の増加に加え、第4四半期から自動車向けの分野が急激に鈍化したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比23.3%減の3.52億円となるなど、各利益とも減益となった。しかし、売上高は2.3%増加。今期は売上高が続けて拡大し減益幅は大きく改善する見通し。配当政策は、「安定配当の側面を考慮し、当初計画通りとし、これに記念配当を実施する予定」(渡邉社長)とした。

■「アサカラーLED」「RFIDタグ用ゴム製品」など一段と高機能化

 同社は、LEDに特殊加工のシリコーン制ゴムキャップをかぶせることで1万色を超える光のバリエーションを提供できる「ASA COLOR LED(アサカラーLED)」や、近年急速に普及が進むRFID(無線自動識別)タグ用ゴム製品、プレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)用ガスケット、採血用・薬液昆注用ゴム栓などの医療用ゴム製品など、高度な製造技術が必要な製品群を開発製造している。

 19年3月期の連結業績は、売上高が前期比2.3%増加して77.06億円となった。一方、車載・照明分野やRFID(無線自動識別)タグ用ゴム製品の量産設備を中心に大型の設備投資が続き、減価償却費を5.0億円近く計上。第4四半期からは自動車向け分野の急激な鈍化が影響し、営業利益は同13.7%減の4.83億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比23.3%減の3.52億円となった。

 医療分野のディスポーザブル用ゴム製品は旧機種・新機種の交代期に当たり、旧機種の受注が第3四半期まで続いた。

■医療分野では超薄膜シリコーンシートや生体回路対応の新素材も

 今期・20年3月期は、医療ディスポーザブル用ゴム製品が完全に新機種に切り替わるほか、プレフィルドシリンジ用ガスケットは規格値より大幅に優秀な低溶出素材の生産能力を増強し受注拡大に努めるなど、高品質製品へのシフトを進める。超薄膜シリコーンシートや、輸液回路・血液回路に対応するメディカル素材の開発・実用化も注目される。

■「感圧ラバーセンサー」や「アサカラーレンズ」は新市場を開拓

 「ASA COLOR LED」は、色と光のばらつき範囲を一段と極小化した調光新製品、新薄型パッケージ製品を出すなどの新展開を進める。また、耐熱性・耐UV性に優れ、光透過率94%というシリコーン製の集光・拡散機能を持つレンズ「ASA COLOR LENS(アサカラーレンズ)」は、照明の或るところすべてを視野に、まずは自動車用エクステリア市場への展開を図る。

 感圧ラバーセンサーはIoT機器やロボットなどのインターフェイスとして開発・提案を進める。また、ほとんど企業秘密に近い分野として、電流極性の切り替えにより冷却・加熱が可能な電子部品「ペルチュデバイス」を応用し、従来にないゴムならではの柔軟性のある熱伝導シートと組み合わせた新製品「F-TEM」のサンプル出荷、エビデンス取得などを行う。

 連結業績見通しは、売上高が78.10億円(19年3月期比13%の増加)、営業利益が4.64億円(同4.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3.32億円(同5.8%減)、1株利益は73円30銭。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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