欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、欧州リスクや米中摩擦に警戒

2019年5月24日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、欧州リスクや米中摩擦に警戒
24日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想したい。前日の大幅安を修正し、短期的に110円回復を目指す見通し。ただ、英国の政局や欧州議会選の結果に懸念が広がり円買いは根強い。また、米中貿易摩擦の影響をにらみ、ドルを買い戻す動きが大きく広がることは期待できない。

前日の海外市場では、欧州発のリスク要因で円買い優勢となった。その後、米製造業PMIなど経済指標が軒並み低調な内容となり、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測の再燃でドル売りが強まった。ドル・円は下値支持線として意識されていた110円を割り込むと下げ足を速め、109円46銭台まで売り込まれる場面も。本日アジア市場の序盤もそうした流れを受け継ぎ、ドルは109円半ばに軟化。ただ、ドルの下値は堅いとみた国内の実需筋が押し目買いを入れ一時109円70銭台に切り返した。株価や長期金利が下げ止まり、ドルは前日の大幅安を修正する値動きのようだ。

ただ、この後の欧米市場でドルの戻りは限定的となろう。英国のメイ首相は欧州連合(EU)からの英国離脱(ブレグジット)に関する問題解決に至らないことへの責任を取り、退陣のプロセスを公表する見通し。また、週明けにかけて投票結果が判明する欧州議会選では反EU勢力などの拡大が警戒され、ポンドやユーロがドルと円に対して売られやすい。一方、米中貿易摩擦で両国の対立は緩和に向かわず、クロス円は下落方向に進みそうだ。また、21時半発表の米耐久財受注は前回下振れが予想される。前日同様に経済指標の低調な内容を背景にFRBによる利下げ観測が広がり、株価や長期金利が弱含めばドルの買戻しは小幅にとどまるとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・4月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:-0.3%、3月:+1.1%)
・21:30 米・4月耐久財受注速報値(前月比予想:-2.0%、3月:+2.6%)《FA》

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