断層存在しない場所で発生のポルトガル沖の地震、プレートの剥離が原因か

2019年5月16日 08:58

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 1969年にポルトガル沖で大地震による津波が発生した。一般的に地震は断層のずれや海底火山の活動などが原因とされるが、この地震の震源近くには断層や海底火山は存在せず、なぜその場所で地震が発生したのか、その原因は長らく分かっていなかった。しかし、新たな研究により、この地震は「プレートの剥離」が原因だという仮説が浮かんできたそうだ(ナショナル ジオグラフィックSputnikSlashdot)。

 研究によると、地震の震源部分に「密度の高い塊」が存在していることが分かったという。仮説では、プレートの亀裂に入り込んだ海水によってプレートの表層が脆くなり、この「密度の高い塊」の部分が剥離して沈み込んでいき、沈み込み帯と呼ばれる海溝やトラフの元になる領域が生まれるのではないか、と推測されている。

 この説はまだ仮説段階だが、もし事実であれば海洋プレートが剥離して沈み込み帯が生まれる様子をとらえた初めての研究となるという。

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