フジ住宅、19年3月期は増収増益で過去最高に 20年3月期は減収減益見込む

2019年5月9日 12:41

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 フジ住宅【8860】は8日、2019年3月期決算を発表、売上高は1,157億1,000万円(前期比11.4%増)、営業利益は66億3,600万円(同3.1%増)、純利益は42億9,800万円(同3.1%増)となり、3期連続の増収増益で過去最高額を更新した。期末配当金は1株当たり13円とし、通期では27円となり前期と同額の配当を維持。

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 20年3月期の予想は、中期経営計画の遂行中であるが、マンション供給が落ち込むとして売上高は前期比7.5%減の1,070億円、純利益は同23.2%減の33億円と、減収減益とした。

 同社は大阪府岸和田市に本社を置く不動産業である。1973年に創業し、1990年に大阪証券取引所第2部、2005年には東京証券取引所第1部に株式を上場。大阪府南部を中心に周辺地域も含めた不動産取引、住宅販売、そして土地活用などを主要なビジネスとしている。

 19年3月期の業績は、住宅流通事業において中古住宅の引き渡し戸数が増加、土地活用事業では、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)や投資家向け一棟売賃貸住宅に受注残が豊富であった。また賃貸管理事業の取り扱い件数の増加や、大規模分譲住宅の一部を素地販売したことが貢献したとしている。営業利益では、土地有効活用事業で前期比7.8%の減額だったが、住宅流通事業と賃貸管理事業ではそれぞれ前期比15.5%の増額となった。

 一方で2020年3月期の予想に関して、好景気の陰りと建築コストや地価の上昇をふまえて保守的な見解を示している。分譲マンション供給の端境期(はざかいき)にあるとし、消費税の増税も見越し減収減益になると予測。しかし施行中の中期経営計画最終年に向けて業績は持ち直すとし、2021年3月期には増収増益を見込んでいる。またROEに関しては、10%を維持するとしている。

 中期経営計画の見通しの根拠としては、2021年度には分譲マンションの引き渡しがあることを示唆。2021年3月期以降には、19年3月期に受注した土地活用物件の引き渡しが集中することも、経営計画が順調であることの根拠としている。(記事:福井廉太・記事一覧を見る

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