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体操全日本選手権 谷川翔2連覇 寺本明日香は4年振り頂点
体操の全日本選手権は28日の最終日に男女個人総合の決勝が行われ、男子は20歳の谷川翔(順大)が首位で通過した予選との合計170.265点を出し、昨年に続き2連覇を果たした。女子は寺本明日香(ミキハウス)が予選との合計111・998点で4年振り2度目の優勝。
男子では昨年2位の白井健三(日体大大学院)は怪我の影響により出場30人中最下位、女子世界選手権銀メダリストであり4連覇を目指した村上茉愛(日体ク)は2位に終わった。
■波乱の大会で2連覇達成の谷川翔
2連覇が決まった瞬間、安堵の表情を浮かべた。
トップのまま最終演技者として迎えた6種目の鉄棒。離れ業を一つに留めながら確実な演技に終始し、連覇の重圧、追われる立場としての存在という緊張感が表れていた。本人の「もっと(別の技を入れて)決めて終わりたかった」の言葉の通り、決して簡単に手に出来た優勝ではなかった。
五輪メダリストの内村航平(リンガーハット)が予選で姿を消し、白井も不振など、様々な意味で注目が高まったこの大会、その中でも全種目を通じて谷川翔は群を抜く安定度を発揮した。
重圧に耐え抜き身につけた確固たる自信を全日本王者として迎える来月のNHK杯、さらにその先への日本代表とへと繋げていく。
■高い完成度で4年振り頂点の寺本明日香
最終種目床運動の終盤、最後の着地ではやや勢いが強く、体勢が沈み膝が床に着きそうになりながらこらえた。「予選の着地からの修正が大事」と挑んだ決勝で、大きく崩れることなく演技を終えると満面の笑みに変わり手を振りながら歓声に応えた。
2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ両五輪代表だった寺本、この大会3連覇中であり2位で追いかける村上がコート脇で見つめる前で終始ミスなく演技を終え、最終的に1.167点差をつけ、予選から首位を守り頂点を手にした。競技後「2日間、ノーミスの演技が出来た」と語った寺本。現在23歳、年下のライバルたちと競い合った末の優勝の価値は大きく、抜群の表現力、そして目標としている東京五輪団体総合のメダルへ向け引っ張っていく存在としての頼もしさを感じさせた。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る)
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