錠剤サイズ「飲む体温計」の動物適用実験に成功 東北大

2019年3月15日 12:19

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東北大が開発した「飲む体温計」(左)と断面概略図(画像: 東北大学の発表資料より)

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 東北大学は13日、口から飲み込むことで体内の深部体温を測定する錠剤サイズの「飲む体温計」を開発し、動物実験に成功したと発表した。電池などを使わず、胃の中に入ったときに胃酸を使って発電。体内で体温を計測する。正確に基礎体温を把握することで、病気の早期発見や健康維持に役立つという。

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 同大学イノベーション戦略推進センターの中村力特任教授らの研究グループが開発した。

 「飲む体温計」は直径9ミリ、厚さ7ミリの円筒形。中に温度センサーやマイコン、集積回路、通信用コイル、積層セラミックコンデンサーなどが入っており、電極となるマグネシウムとプラチナ金属板以外は全体が樹脂で覆われている。

 この温度計を飲み込むと、胃の中で電極と胃酸が接触。レモン電池と同じ原理で発電し、コンデンサーに充電する。この充電エネルギーで腸内の温度を測定し、体の外の受信器にデータを送信する。測定は複数回可能で、30分おきにデータを送信することも可能だという。

 通常であれば、体温計は24時間以内に便とともに排せつされ、下水処理場で回収、廃棄されることを想定している。

 今回の実験はイヌを使って行われ、睡眠時から活動時までの体温を30分ごとに市販のループアンテナで受信した。アンテナは体から約10~20センチ離して使用したが、問題なくデータを受け取ることができ、50センチ離しても通信が可能だった。体温計は翌日に排出されたという。

 安静時の基礎体温や深部体温は健康状態を把握するために必要だが、一般的な体温計では測定が難しく、誤差が大きい。また肛門に温度計を差せば、深部体温を測定することが可能だが、1日に何度も測定することは難しい。しかし飲む体温計を使えば、体温を正確に測定できるほか、一定間隔をおいた継続的な測定も可能になる。

 同大学では今後、安価な部品の調達や実装技術の改善によって温度計の原価を100円以下にすることを目標にしている。また受信器をベッドやベルト、腕時計などに内蔵することで、日常生活を送りながら楽に体温測定ができるようなシステムづくりにも取り組み、ヒトへの適用試験の実施を目指すという。

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