SNS不適切動画拡散に見る コンプライアンス経営の有り方を問う

2019年3月15日 17:12

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 今、SNSによる不適切動画の拡散が、外食チェーンやコンビニエンストアを中心に相次いで発覚し、社会問題化している。それは、店のアルバイト従業員が、不適切動画をSNSに投稿したものである。「大戸屋ホールディングス」「くらコーポレーション」「すかいらーくホールディングス」「セブンイレブン・ジャパン」「ファミリーマート」など、いずれも全国チェーンの大手著名企業である。

【以前にも】バイト先での「悪ふざけ投稿」なぜ盛り上がる?

 これは、コンプライアンス経営が、新時代を迎えた出来事と言えよう。

●不祥事の背景

 こうした外食チェーンや、コンビニで相次いで不祥事が起きている背景には、極端な人手不足を指摘する専門家が多い。店舗運営の中心は、大半の店が学生アルバイトであり、出入りが激しく、そのため教育や管理面で行き届かないというのが現状だ。

●今後の対策

 このほど被害にあった定食チェーンを運営する、大戸屋(窪田健一社長)が会見し、従業員の処分と今後の対策を発表した。それは、全国350店舗を1日一切休業し、全従業員を対象にしたコンプライアンス研修を行うというものだ。不祥事を行った従業員は即解雇。法的処分も検討しているという。

●企業経営のコンプライアンスとは?

 企業のコンプライアンスとは、一般的には法令遵守(ほうれいじゅんしゅ)と訳されている。しかしコンプライアンスの対象は、法令に限られるものではなく、企業倫理等の企業社会における規範も含まれることだ。つまり「法令」プラスα、「遵守」プラスαの組織的取り組と言えよう。

●欧米企業のコンプライアンス

 欧米企業におけるコンプライアンスを見てみると、法令違反の防止は勿論含まれているが、それより重要なのは、企業が健全で適正な活動をしていくために企業倫理にも目を向けていることだ。

●コンプライアンスの全体像

 コンプライアンス経営の検討対象となるのは、「法規範」「倫理規範」「社内規範」の三つに分けられる。その中核となるのが法規範(法令)だ。コンプライアンス経営で法規範を守るためには「刑罰法規」「行政取締法規」「民事法規」等があり、不正な行為は、この全部に低触する結果となることが多い。

●今後のコンプライアンスの方向

 コンプライアンス経営は現代の企業経営における本質的な課題だ。厳しい競争にさらされて企業組織において、自社にふさわしいコンプライアンス・プログラムを構築することが重要と言えよう。最後に会見した大戸屋窪田社長の言った印象的な言葉を。

 「安全、安心を担保することこそ、利益よりも優先すべきこと。従業員のコンプライアンス教育を徹底したい」。

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