5世紀にコロッセオの一部を崩壊させた地震の活断層が明らかに

2019年3月8日 21:01

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ローマの「コロッセオ」。

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●2016年に起きたイタリア中部地震によって明らかになった断層

 イタリア・ローマにある世界遺産「コロッセオ」は、5世紀に発生した地震で大きな被害を受けたことが記録されているが、この大地震を引き起こした活断層が解明された。この断層は、2016年8月に発生し多くの被害を出したイタリア中部地震によって再活性化された活断層であることが判明した。イタリア中部のシビッリーニ山脈に属するモンテ・ヴェットレがその活断層といわれている。

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 雑誌『テクトニクス』に掲載された記事によると、モンテ・ヴェットレの活断層は1500年から2100年の周期で大きな破壊力を持つ地震を発生させるのだという。

●過去9000年に5つの大地震が

 この調査は、ローマ・ラ・サピエンツァ大学などにより実施された。

 2016年8月から10月にかけてイタリアの中部で断続的に発生した地震の研究のために、ローマ・ラ・サピエンツァ大学ではトレンチ調査を行った。モンテ・ヴェットレの30キロに及ぶ地質学調査から、過去に発生した地震の再構築に成功したのである。

 過去にこの活断層が、非常に強い地震を発生させたことはすでに明らかになっていた。ただし過去の地震と、歴史的な古文書や記録との照合は行われてこなかった。研究チームは、活断層に残された地盤の変形を詳細に調査し、2016年以前の9000年間に同活断層が少なくとも5つの大地震を発生させたことを報告している。

●5世紀にイタリアを襲った地震

 そして、5つのうちの最後の地震は西暦443年に発生し、ラヴェンナやローマで強い揺れを記録したことが古文書によって証明された。

 特にローマでは、この地震によってサン・パウロ大聖堂をはじめとする初期キリスト教の教会が壊滅的な被害を受けたという。またコロッセオも、5世紀のこの地震により大きな被害を受けたことが判明している。

 調査に参加した地質学者のエドアルド・ペロナーチェ氏は、将来的に発生する地震の被害を食い止めるためにも、こうした活断層の研究は今後も必要だと主張している。

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