東京湾アクアラインの「AI渋滞予知」技術が進化、30分ごとの予測が可能に

2018年12月22日 18:31

印刷

 NTTドコモとNEXCO東日本は21日、東京湾アクアラインで実証実験中のAI渋滞予知をリニューアルしたと発表。通過にかかる所要時間と交通需要を、30分ごとに数時間先まで伝える機能を追加し、AIが予測した渋滞時の所要時間と実際にかかる時間の誤差も大幅に小さくなった。

【こちらも】AI犯罪予測システムの脅威(1) 米フロリダ、英警察、京都府警や神奈川県警も興味を示す

 AI渋滞予知は、携帯電話ネットワークの仕組みを用いて作られるリアルタイム人口統計と、NEXCO東日本がもつ過去の渋滞実績や規制情報などを合わせ、さらにドコモのAIをもって開発された技術だ。渋滞が始まる時刻や渋滞距離のピークなどの情報は、ウェブサイト「ドラぷら」で配信されている。

 今回のリニューアルで、予測所要時間と実際の所要時間の間に誤差が起こる割合は低下。誤差が30分以上になってしまう割合はこれまでのAI渋滞予知における3.7%から0.8%になる。20分以上の誤差が発生する割合は15%から6.7%、10分以上の割合は40%から27%へと小さくなる。

 2017年12月から実施されていたこのAI渋滞予知は、NEXCO東日本が提供している過去の渋滞実績をもとにした渋滞予報である「渋滞予報カレンダー」よりも、もともと誤差が起こる割合が小さかった。渋滞予報カレンダーでは、30分以上の誤差が発生する割合は8.2%、20分以上は26%、10分以上は62%だ。

 それがリニューアルを経て、さらなる精度向上を果たした。なおAI渋滞予知実証実験のアンケートでは全体の90%以上の人から今後もAI渋滞予知を活用したいとの声を得ており、また今後期待することとして、時間帯ごとの情報と所要時間の情報提供を挙げられていた。

 それらの要望を踏まえこの技術は開発され、情報提供は12月22日より開始される。今後は実証実験の検証の後、本格的な導入と他路線への展開を図る。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事