「NOTAM(ノータム)」の活用で空の旅をもっと楽しもう

2018年11月27日 17:07

印刷

 国土交通省の用語集によれば、NOTAMとは「Notice to Airmen:ノータム 航空保安施設、業務、方式及び航空に危険を及ぼすもの等の設定、状態又は変更に関する情報で、書面による航空情報では時宜を得た提供可能な場合に通信回線により配布されたもの」とされる。

 要するに、ノータムとは航空機の安全のために、航空関連省庁から航空関連者に提供される航空情報のこと。パイロットは飛行前に、気象情報とともに、必ずこのノータムをチェックし、出発の可否、飛行計画の変更等の参考にしている。

 ノータムは次のような理由で発表される。

・滑走路や誘導路の閉鎖
・航空保安無線施設の故障
・軍事演習やロケットの打ち上げなどによる空域制限
・国家元首など重要人物が搭乗した航空機の飛来 等々

 上記の他にも日々の状況に即応したノータムの発表例を紹介しよう。

・羽田空港で滑走路が閉鎖中にもかかわらず着陸許可を出してしまった。
・新千歳空港の滑走路は〇日の〇時~〇時まで除雪のため閉鎖する。
・災害派遣のヘリコプターが多く飛んでいるので注意のこと。
・空港近くのテーマパークで花火が打ち上げられる予定。

 我々にとっても結構身近な情報も満載で、パイロットにとっては「掲示板」のような存在である。

 このノータムは一般人でも見ることができ、航空機に搭乗する前に、パイロットと同様の情報を知ることができる。閲覧にはユーザー登録が必要だが無料で利用することができる。内容は全て英語で表示され、羽田空港は「RJTT」、成田空港は「RJAA」のように独特の空港コードが使用されているので、解読にはそれなりの勉強が必要になる。

 インターネットにはその解読方法等も掲載されているので参考にすれば、解読はさほど難しいことではない。空港に向かう前に、このノータムの情報を知ることができれば、実際の役に立つこともある。

 出発時間が遅れそうな情報を前以て得ることができれば、自宅からの出発時間を遅らせることもできる。フライトがキャンセルになりそうな時には、フライトの変更や列車への振替えもスムーズに行うこともできる。

 ノータムの情報を活用することにより、これからの空の旅をもっと楽しめるようになるかも知れない。(記事:kan1713・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事